第3話 突然の側室宣言
「鈴、今日の仕事は終えてミン内官様と
共に王様の所へ行きなさい」
「えっ、王様の所へわ、私が行くの
ですか?」
夢ではないかと思った鈴であったが
本当に内官が迎えに来たのでこれは
現実なのだと理解した。
「王様、お連れいたしました」
「中へ」
「失礼いたします」
緊張しながら、そっと扉を開くと
紅色に染められた椅子に堂々と座っている。
「よく来たな。さあここへ」
「は、はい」
手を引かれ、王様の隣に導かれた。
王様は鈴の手を離さず、握っていたままだ。
「そなたの刺繍を見た。とても綺麗な
刺繍だったぞ。そなた自身が美しい
からだろうか」
「そ、そんなことありません。私は
美しくなど・・」
「何を言う!そなたは美しい。
特に白い陶磁器のような肌は美しく
悪い虫が寄り付かぬか心配になる」
王様は席を立ち、引き出しの中から
ある物を取り出した。
「後ろを向いてくれ、鈴」
「は、はい」
首元にひやりとした感覚が一瞬した。
鏡の前に案内され見てみると
輝いている宝石が首元にあった。
「白・紫・青・橙色の宝石を繋げている。
白は幸運、紫は魔除け、青は平和
橙は夫婦円満という意味が込められて
いる」
「このような高価な物を受け取っても
良いのでしょうか」
「そなたに送りたいのだ。それに
これから鈴は側室になるのだから
問題ない」
「えっ!そ、側室!」
驚いた鈴は意識を失ってしまった。
倒れそうになった鈴を支え自ら寝室へ
運んでいった。
後宮の寵姫 華 @komalove
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