第167話 隠しきるこの秘密だけは

 さてヤマンバの治療(人体実験)の目処が付いたと言っても、はいこちら!とすぐに捕まえられる訳もなく、疾風さんは ショーグン様カツミちゃんの言いつけでヤマンバ捕獲に駆け出した。

 まあなんだ...すごく後ろ髪を引かれる感じだったんだがノヤーロ君の。

「皆さんの為に働く疾風アヤさんって素敵ですね!」

 の一言に上機嫌で風呂からマッパで出ていった。

 その前にローズさんが耳打ちしてたのは多分俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

 あの人も可愛いものフェチだからなんとなくわかるんだろうな...ラビのお願いだとすぐ聞いちゃうからな。


 閑話休題。


 疾風さんが来たのでヤマンバ方向にズレていたが本来ウォトカへの対応の話をしていたんだった。

「それで明日の対応はどうします?」

 俺の問いにショーグン様カツミちゃんは。

「まあ普通に国交を樹立する方向で良いだろう、ただし条件は多少厳しめにせざるを得まいな...リューバよどう思う?」

 との問いに。

「良い考えだと思うでござる、それとヨーイチ殿たちはウォトカに渡らなければならないのでござろう?特別大使のような仮の役職で使節団の後を追う形が良いのではござらぬか?」

 確かに、ヒノモトとウォトカの関係も気になるがそれも世界が平和であってこそ。

 人同士の争いの前に大魔王とやらを討伐せねば。

「ならばその方向で草案を...キョースイ、頼めるか?」

 ショーグン様カツミちゃんの問いかけに。

「心配いらないわ〜、あたしに任せればバッチグーよぉーん!」

 と、分厚い胸板を叩くキョースイ月光さん。

 うん、ゴリラ味ある。

「ああ見えてキョースイは文章作成の専門家でござる、戦闘力以上にそこが評価されていたりもするのでござるよ」

 というリューバさんの耳打ちに納得の俺だった。


 さて風呂上がりにはやっぱ牛乳でしょ?

 今日は牛乳渡される時には引き気味では無かったな...今日は真面目な話ばかりしてたからな!


 前回も俺は悪く無いやいちくしょう...。


 食事も済んでいる事だし寝るかと思えば...。

「ヨーイチよ、寝る前に一杯やろうじゃ無いか」

 というショーグン様カツミちゃんのお誘いにフラフラと座敷へ、女性陣は先に就寝してもらい参加者はノヤーロ君を除いた野郎共四人だ。


「で?どうだったリューバ?異国の女は?」

 ハイ出ましたショーグン様カツミちゃんの下世話なおっさんムーブ!

「どうもこうもないでござるよ、愛してる人と愛を確かめただけでござる」

 まあ当たり障りのない答えだけど...本当に好きな人とイタすと満足感が段違いなんだよなぁ...いかんいかん!元妻の事なんか思い出す場面じゃない...でもなぁ...昔はラブラブだったのになぁ...。

 俺が一人落ち込んでいると。

「異国の女といえばヨーイチの感想はどうなんだ?というかどの子が本命なんだ?」

 異世界とはいえヒノモトの人は背格好など日本人と変わらない事を考えると真っ当な疑問なんだろうけど...。

「いや、別に俺は彼女たちに手を出してる訳じゃないからな!?」

 出して...るわけじゃないよな?

 マリアのアレはお仕置きだし!しかし思い返せば手順や良いところなんか地球人と相違無かったな...っと!いかんいかん!あんまり深掘りするとどこかから怒られるに違いない!

「なんだ、つまらんのう。

 せっかく良い酒のツマミになると思ったんだが...」

 残念そうなショーグン様カツミちゃんにキョースイさんが。

「それじゃあアタシの彼とのラブロマンスを...」

「「「いやそれはいい」」」

 三人の声がハモった。

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