第159話 いっい湯だーな!ハハハン!
そうして俺たちはやってきた...大!浴!場!
「しかし自分で引っ張って来て言うのもなんだけどやけにあっさり諦めましたね」
男の文字が書かれた暖簾をくぐった先の脱衣所で俺は服を脱ぎながら
「なぁに、中の様子はキョースイに一言一句記録させておるからな。
あとでゆっくり読めばいいだろ?」
くっ!まだそんな策略を!?今からでも戻ってキョースイさんも風呂に...風呂に?
「さーお風呂だお風呂ー!」
もう服も脱いでるしなー!残念だなー!決して一緒に入浴したくないからじゃないからなー!
「あ~!いいお湯だ~!」
身体を洗い二人で湯船に浸かる...流石はこの国トップが入る風呂だ、総檜作りで香りもいい。
「あれがオヌシのてくにっくか...そりゃおなごが侍るわけじゃのう...」
気持ちよさそうに湯につかりながら
誤解の無いように言うけど俺この偽ショタっ子に手なんか出してないからね?
お偉いさんだから背中でもって流そうとしたら肌が思いのほか子供だったので優しく洗ってあげただけだ!
「俺あの子たちに手なんか出してないからな」
一人は除く...おしおきだし...と頭で思いながらもそう言った。
「アホウが、だれも身体接触の話なんぞしとらん、オヌシ誰に対してでも優しく接しとるのじゃろ?
女たらし、人たらしも良いが今の面子だから良かったものの独占欲の強い娘が入ると人間関係壊れるぞ」
誰を選ぶ...ここに来るまで何人かに言われた台詞。
優しい娘ばっかりだから甘えてダラダラと選んでいないが手を出さないのも今の人間関係の変化が怖いだけなのかもしれない。
「まあゆっくり考えるがよかろう?温まったし露天風呂に行こうぞ」
カツミちゃんはそう言って俺の手を引き露天風呂への扉を開ける。
ガラガラ...
...
「なにやってんですかー!」
扉の向こうに居たのはすっぴんのマイさんだった。
「ご、ごめん!」
とっさに後ろを振り向く俺。
「おい、カツミちゃんどういうことだよ?」
横でカラカラ笑っているカツミちゃんに問いかける。
「なぁに、この国ではもともと混浴でな、ここは外国の要人なんかも入るので露天以外は男女別にしとるだけだ」
く!やられた!
...
「まぁカツミさんはその外見だし洋一さんとも嫌じゃないので混浴は構いませんけど...修学旅行みたいで楽しいし」
唐突な対面で声を荒げていたが落ち着いたマイさんは微笑みながらそう言った。
後半のセリフはきっと体の弱さで行けなかった修学旅行を思い浮かべてるのかもしれない...ショックのせいかすっかりギャル喋りじゃなくなっているけどのんびりお湯を楽しむのに良さそうなのであえて指摘はしないでおこう。
その瞬間!
ガッ!
『おうおう、リラックス状態でも凶悪じゃのヨーイチは』
後ろからいきなり股間を掴みながらアイさんが言ってきたのでとりあえず湯船に投げ込んでおいた。
『わーい!お兄ちゃんと一緒だー』
どうやら他のメンバーは混浴に抵抗がないご様子だった。
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