第158話 最後のキスはタバコのflavorがした
なんだかわちゃわちゃしたもののとりあえず場が落ち着き本題へ...入れなかった。
「キョースイ!いらいざを連れて来てくれたのは感謝するがここは上様の御前であるぞ?いきなり部外者を入れるでない!」
「何言ってるのよ!?あんた惚れた女を疑うつもり!?」
などとギャーギャー言い合いが始まってしまったのだが...。
「...黙れ」
今日一渋い声でカツミちゃんが言うとピタっと収まった、流石はショーグン様だぜ。
「キョースイも戻ってきた事だし本題に入るとするぞ?ああ、ほかの隠密はヤマンバの動向を探らせておるがお前はこちらに参加しろ、あっちは疾風に任せておけ」
そう言った
「あら?何故ヤマンバなのかしら?ちょっと説明してほしいわ」
そう疑問を呈すキョースイさんに俺たちは事情を説明する。
「なるほど、大暴走の原因...ね。
確かに言われると不自然な点が多いわね」
腕を組んで考え込みながらそういうキョースイさん...ってか腕ふっといな。
「そうでござろう、それでショーグン様の命で他の隠密たちは調べに行ったのでござる。
某とお主はショーグン様の護衛と...」
リューバさんは俺たちの方を見て。
「ウォトカとの交渉に尽力するでござるよ」
そう言った。
「きちゃった...」
あの後、一旦解散して俺たちの泊まる部屋などを案内され必要な荷物...といってもマイさんのポーチから出すだけなんだけどの荷ほどきなどを済まして
「置いて行ってすまない、急な出発だったんだ」
おいござる無い上になんかイケメンボイス出してんぞ隠密。
「きょうすいさんにきいた、わたしだいじょうぶよ」
「全くあいつは機密をペラペラと...でも君が来てくれたのは本当に嬉しい」
うん、俺たち風呂に行ってるだけなんだけど途中の部屋からこんな会話が聞こえてくるから動くに動けない。
「りゅうば、あいしてる」
「俺もだ、いらいざ...」
あれだな、襖がちょっと開いてるからいけないんだ。
声も漏れてくるし俺たちも通りづらい。
通りすがりで襖をちょっとずらして閉めて行けばオッケーだよな。
そう思いながら件の部屋の前を通り抜けようとした瞬間。
「おー、やってるやってる」
小声でそういいながらやってきたのはカツミちゃん。
「侍女に命じてちょっと開けさせてた甲斐があるなぁ」
いやこの状況の元凶はあんたか!
「ちょっとショーグン様!俺たち風呂に行きたいだけなのに通りにくいじゃないですか!覗いてないで閉めてください!」
俺は小声でカツミちゃんに言うと。
「バーロー、幼馴染の檜舞台だぞ?この国のトップである俺が見なくてどうすんだよ?」
ん?檜舞台?
「ああ、あいつはなんだかんだで身持ちが固いからな、身分を隠した常駐員やってるときはきっと最後の一線は越えてないと思うんだ。
でも恋人の方からこんなところまで追っかけてきたんだから盛り上がらないわけがないだろ?」
...ってそれ初夜じゃねーか!尚更覗いていいもんじゃないわ!
俺はカツミちゃんの両脇に手を入れてひょいっと持ち上げると。
「さぁ風呂だ風呂」
そう言って歩き出すとそっと襖を閉めてくれるマリア、流石気が利くぜ。
『秘め事は秘めるからこそ盛り上がる...ヨーイチ様の教えですからね』
そう言ってニッコリと微笑んだ。
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