第155話 死んでも夢を叶えたい!いいえ!死んでも夢は叶えられる!
「ヤマンバが元人間!?」
俺は驚いてそう言うと。
「そう、人間だ」
カツミちゃんがショウグンボイスでそう言った。
「詳細はわからぬが間違いは無いでござる、ヤマンバ状態になっても元の顔貌は反映されるのでござるよ。
そして行方不明になった者の家族がその面影があるヤマンバを見かけた報告も多々入っているでござる」
リューバさんからも補足された俺は。
「じゃあ...オトメさんも...」
そこまで口に出てハッと口元を押さえた。
「気を使わせてしまったでござるな、恐らくそうでござろう...」
リューバさんは悲しげに遠くを見つめながらそう言った。
「すみません」
そう言って謝罪する俺に。
「気にしなくて良いでござるよ、もう過去の話でござる」
そう言って微笑んでくれた。
「しかし人を襲って仲間にするとか吸血鬼やゾンビみたいな化け物だな」
俺がそう言うと。
「吸血鬼?ゾンビ?何それ?」
と、カツミちゃんが尋ねてきた。
「ああ、俺の世界の化け物...と言ってもお話の中なので想像の産物だとは思うんだが吸血鬼は血を吸ったり血を分け与えたりする事で眷属や下僕の化け物に、ゾンビは襲われたものを仲間にする動く死体だよ」
俺の答えにカツミちゃんは。
「ほほう、それは興味深い。
そのお話とやらで人に戻る話はあるのか?」
と、食いついてきたが...。
「俺の知る限りは...無いね...」
もしかしたらあるのかも知れないが俺の知る限りは無い。
あからさまにガッカリするカツミちゃんとリューバさん、やべえ。
「あ!でも人の愛で人型の化け物が人間になったり化け物の力で不死者の従者になった者が主が人間化する過程で人間に戻れる話ならあったよ!」
ついフォローしてしまう。
『人が化け物に変わる仕組み次第では戻る可能性もあるのでは無いのか?病のような物なら治療を、何かが体内に入れられたのならば摘出と言った様に』
我らの
「そうだね!もう諦めかけてたけどもしかしたら...」
「オトメ姉さんを戻す方法もあるかも知れないでござる!」
ヒノモト組が歓喜の声をあげる。
そういえば?と思って俺は。
「オトメさんのヤマンバって確認されてるんですか?」
と聞くと。
「それらしい者は確認されていないでござる、そもそもヤマンバ化した者は面影はあれど元よりも醜女になるのが定石、しかしオトメ姉さんであればマイ殿のように可愛いヤマンバになるはず、さすれば目撃されれば目立つはずであろうに」
と言うリューバさんの言葉に。
「ヤーダリューバっち...リューバさん可愛いとか恥ずかしいです」
ギャル返ししようとした瞬間に
「そういえば俺たち散々ヤマンバの話してますけどまだ見た事無いですよね?
さっきの襲撃にも居たんですか?」
俺がそう聞くと。
「いや、あれだけの化け物が襲ってきた中でヤマンバは一匹も見てないでござるよ、確かに変でござるな?」
それを聞いた俺の頭の中ではカツミちゃんじゃないけど「アレアレ?おかしいぞー?」と言う声が響いていた。
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