第154話 シャランラシャランラヘイヘヘイイェイェイ

「またヤマンバ...か」

 俺はそう呟いた。

 リューバさんのお姉さんを攫ったのもヤマンバだよな?なんかこの国ヤマンバ災害多くない?

「また...とはリューバの話でも聞いたのか。

 そういえば其方の連れにもヤマンバ...いやコレは化粧か」

 カツミちゃんはマイさんを見て。

「人は辞めておらぬようだ、何故そんな格好を?」

 そう問われたマイさんは。

「コレはあーしのポリシーだし!

 そんなバケモノと一緒にしないでくんない?」

 その言葉にカツミちゃんは。

「はっはっは!信念と来たか、自らヤマンバの格好をするとは面白い、気に入ったぞ。

 しかし万が一と言うこともある、念のため化粧を取った姿も見せてくれぬか?」

 そう言われたマイさんは。

「しょーがないなー、ショーグン様だから特別だよー?」

 そう言ってパチンと指を鳴らす、あれ?クレンジングしなくても落とせるのそれ?

 パッとスッピンに変わったマイさんにカツミちゃんは。

「オ、オトメさん!?」

 と驚愕していた、そういえばリューバさんの幼馴染って事はお姉さんも知ってるのか。

「オトメさーん!」

 そう言ってカツミちゃんは服は脱がないけどルパンダイブの要領でマイさんの胸に飛び込...もうとしたところを首根っこをリューバさんに引っ掴まれて確保される。

「全くカツミ殿はいつも姉の胸...っとマイ殿はオトメ姉さんでは無いが...に飛び込んでどさくさ紛れに揉むのが常だったでござるからな!」

 え?何そのエロガキ。

「ええい!離せ離せ!何年も我慢しておったのじゃ!少しくらい良いだろう!」

 いやマイさんの胸だし中身オッサンだし良くはないだろう。

「リューバさん離してあげてください、大丈夫ですから」

 素のしゃべりのマイさんはそう言ってカツミちゃんの手を取ると自分の方に引き寄せてそっと抱きしめる。

「おいたはダメですよ?揉んだりしないのならこうやってハグぐらいしてあげますから」

 まるで聖母のようにカツミちゃんの顔を自らの胸に埋めるように抱きしめるマイさん、まるで一枚の宗教画を見ているようだ...いや宗教画じゃねえな、抱きしめられてるショタがすっげえイヤラシイ顔してるんだもん。

「...ふう、ありがとう。

 なんとか落ち着いたぞ」

 今「...ふう」って言ったか?賢者タイムか?袴の中白いのお漏らししてないか?

「ありがとう!マイおねーちゃん!」

 殊更ショタ声で改めて礼を言うカツミちゃん。

「はぁ...尊い」

 外見が美少年であるカツミちゃんに言われてマイさんは目を輝かせる。

 いやさっきまでおっさん丸出しのヤラシー顔してたけどなそいつ。

「マイ殿のヤマンバは化粧というのはわかった、そもそもヤマンバのあの格好は化粧などでは無いからな」

 えらく格好を気にするもんだ、なんなんだろう?

「マイさんの化粧した格好がヤマンバに似てるのはわかりますがそこまで気になるものなのですか?」

 という俺の問いにカツミちゃんは。

「うん、だってヤマンバの大部分は元人間なんだもん」

 と、衝撃的な事実を告げるのだった。

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