第153話 赤いボタンを知ってるか 青いボタンを知ってるか

「ふっ、まあよかろう。

 者共、面をあげい」

 ショーグン様の声に顔をあげる俺たち。

「ふむ、あまり意外では無いと言った顔つきだな、まあ先んじて素の声を出してしまったからな...」

 俺たちの目の前には豪奢な着物を着た...ショタっ子が座っていた...声との違和感がすげえ!

 っておかしくない?

 この人がショーグン様ならリューバさんとかキョースイさんと幼馴染なんだよね?

 まあ身近にロリBBAが居る俺が言うのもなんだけどさ...。

「毛利洋一と申します、この度通訳の大役を仰せつかり、またウォトカへ向かう為にヒノモトに滞在する事をお許し頂きたく参上致しました」

 俺がそういうショーグン様は。

「ああ、良い良い。

 そんな堅苦しい話し方だとこちらも肩が凝る、リューバから伝わっておる、砕けて話すが良い」

 そう言われてもな...じゃあ。

「通訳の毛利洋一です、よろしくお願いします」

 俺がそう言うとショーグン様はにっこり笑って。

「ボクカツミ・ダイドー!よろしくね!」

 またショタ声で言う。

「殿、お戯れを」

 と言うリューバさんの指摘に。

「ちっ、わかったよ。

 こっちの方が楽なのに」

 今度はどっかの少年探偵が素で喋ってる時みたいな声を出す。

「さて洋一とやら、儂の事で気になる事があるだろう?儂もお主らから聞きたいことが沢山ある。

 謁見の場では儂も素で話せないし防衛を助太刀してもらった恩もある。

 ここは飯でも食いながらゆっくり話そうでは無いか」

 そう言ってリューバさんに目配せをする。

「わかりました、それではありがたく参加させて戴きます」

 俺がそう答えた事で謁見は一度お開きになった。


「成長を止める薬!?」

 場所を座敷に移して行われた食事会で冒頭にショーグン様...カツミちゃんと呼べと言われたからもうカツミちゃんでいいか...に言われた真相に驚く。

「そーなんだ、とある呪いで二十歳まで成長したら死ぬっていう呪いをかけられたんだけどそれを防ぐため...ってわけ」

 カツミちゃんはあっけらかんとしてるけどそれ結構大ごとだよね...。

「ボクとしては18歳ぐらいで止めてくれたらよかったのに心配した両親が8歳ぐらいで止めちゃったからね...」

 リューバさんの歳を考えるとそれからもう二十年は経ってるだろうから正解っちゃ正解なんだろう。

「でもさー、こんな姿じゃ世継ぎも作れないし酒だってろくに飲めないじゃん」

 お願いだからその姿で性的な話題とか...あ、今更だったわおのれロリババア。

「じゃあその呪いを解けば成長を再開する事ができるんです?」

 俺がそう聞くと。

「だね、一応解毒というか効果をなくす薬はある」

 ふむ、それなら...。

「呪いって誰からの呪いなんですか?」

 俺が聞くとカツミちゃんは。

「ヤマンバという妖の中に妖術を使うやつが居てね...そいつの仕業だよ」

 と答えた。

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