第156話 怖いものなんか無いよね
そしてヤマンバは元人間も居て...。
「そういえばヤマンバの知能ってどの程度なんですか?人間がヤマンバ化してるなら普通に人間レベルとか?」
そう問う俺にリューバさんは。
「意思疎通をした人間はおらぬが身体的強さより搦手...策を持って襲ってくるあたり高い知能はあると思われるでござる」
それを聞いた俺は。
「それなら今回の
仕掛け人ならばわざわざ表に出てくる事もないだろう。
「ふむ、あり得るな。
直ちに隠密の全力で調査にかかれ」
カツミちゃんが威厳たっぷりに言うと。
「はっ!拙者もそちらに!」
と駆け出そうとするリューバさんに。
「あ、リューバは残れ、そもそも客人をほっぽって出て行くつもりか?」
そう声をかけるカツミちゃん。
確かに気安く話してはいるがショーグン様とサシで話すのはちっと辛い。
「そうでござったな、拙者少々気がはやってしまったでござる」
リューバさんはそう言って頭を下げる。
「さてヤマンバの件は隠密達に探らせているのでしばし進展を待とう」
カツミちゃんは威厳たっぷりに言ったあと。
「しかし俺の世界...とはな。
リューバからの密書で異世界人と勇者を連れて行くとは聞いておったがさっきのマイ殿の化粧の解除といい問い詰める前に信じさせられるとはな」
あ、そういえばリューバさんが妖術で手紙を出す時に説明していると聞いたのでそのまま話していたけど直接の説明はしてなかった。
「改めまして、異世界からの放浪者の毛利洋一です、そしてこちらが...」
俺は改めて挨拶をしてマイさんに振ると。
「異世界ゴッテスパワー!メーイクアーップ!
愛と正義のガングロギャル美少女勇者、富士野谷舞だよ!」
と、一瞬で
そうか、変身の掛け声決めたのか...まあマイさん美少女で勇者だけどさぁ...女神に代わってお仕置きよ!ってか?
その後他のみんなも変わるがわる自己紹介をし直して本題。
「ふむ、その可愛い魔物...ラビ殿と洋一殿で通訳、そしてウォトカの従者の言動をカリン殿が聞いておくと...お主なかなかの策士じゃな」
カツミちゃんは将軍様然とした喋りでそう言った後。
「でも凄いよねー、勇者に剣の天才、騎士と魔法を使えるクォーターエルフに変身できる魔物っ子とか、一人ぐらいボクにくれない?」
戯けた感じでそう言った。
「残念ですが俺に着いて来てくれてるのは彼女達の意思ですから、いかに将軍様でもそれだけは聞けません」
と、俺が言うと。
「聞いたかい?リューバ?
これがモテ男の言動だよ?
お前も使命ばかりに命をかけず彼女の一人でも作るべきだと思うよ?
顔も悪くないんだし...っと未だにシスコン引きずってるから無理なのかな?」
なんと!?今までの会話はリューバさんに攻撃するための前振りだったのか!?
「拙者はシスコンではござらぬ!
オトメ姉さんの事は関係ないでござろう!?」
そう返事するリューバさんに。
「あーあ、そんなだから30過ぎて童貞なんだよ」
と言うカツミちゃんに食い気味で。
「ど、どど、童貞ちゃうわ!
...いや、本当でござるよ?ついノリで言ってしまったが拙者童貞では無いでござる」
なんで俺ら偉い人の前で30過ぎのおっさんの童貞議論聞かされてるんだ?
「はっはっは!いや童貞は冗談だけど特定の相手作らないよね?
オトメさんの事は置いておいてそろそろ世帯でも持ってくれた方が上司として安心できるんだけどなぁ...」
カツミちゃんがため息をつきながらそう言う。
「そもそも!こんな話をするために洋一殿達を呼んだ訳ではありますまい!
本題に入りましょうぞ!
それから拙者はちゃんと彼女が居まする!」
え!?彼女居たの!?
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