第150話 ラララルラー、ジェノサイドー、リリルリルー、血のオーシャン

 粘液まみれのマリアだったがマイさんの水魔法であっという間に洗い流され今は火魔法と風魔法の合わせ技で乾燥中である。

 すげえな、もうワズマーミさん以上に水魔法使いこなしてるんじゃないか?

 ありがとう、ワズマーミさん。

 君のことは忘れないよ...。


 さあそろそろ乾く頃かなとマリアを見た瞬間。

 ワーオ♪

 頭の中に効果音が鳴った。

 温風の勢いでスカートがバサーッ!と捲れ上がったのだが...なんで履いてないのさ!

『キャッ!恥ずかしいですわ!』

 うん、恥じらいが出ていい感じですね!以前のマリアならその勢いで襲ってきそうな感じだったからなぁ...。

 俺は同じ場所を見ていたリューバさんと目が合い頷き合うとどちらからともなくサムズアップしていた。

『魔物も出るみたいだし気を引き締めて行きましょ!』

 さっきの発言フラグもなんとやら、メリルの掛け声にみんな。

「おー!」

 と答えて移動を再開した。

 そしてフラグが立たなかったおかげかその後魔物が出る事もなくもうすぐ都に着くという時だった!

 俺の体は路肩に愛車ジムニー寄せる。

(あ、来ちゃったか...)

 そう思いながら意識を失った。


 ...


「...様...」

「ヨーイチ様!」

 はヨーイチ様に呼びかけていました。

 魔力欠乏による失神の為無理に起こして命に関わるような事になったらいけないので普段は起きるまでそっと様子を見るだけにしているのですが...。

「ヨーイチ様!」

 わたくしは声をかけずにいられないのです、この惨状に!


 ...


「そっち!抜けようとしてるやつがいるし!

 気をつけて!」

 マイは戦いながら周囲を見渡して声を上げる。

 彼女をそのポジションに置いたのはアイであり、その指示は的確だった。

 やっとのことでたどり着いた都、その周囲をぐるりと囲む堀の周りに居たのは...多数の魔物だった!

 洋一が気を失っているなか異変に気づいたリューバの要請でメンバーは各々飛び出していった、否戦闘職であるマリアとセリス以外は。

 堀にかかる橋を防衛している侍達に駆け寄るリューバとそれを護るように駆け出していく騎士姉弟、剣を振る義姉とそれをサポートする義妹に使う魔法を指示する元王宮魔導士。

 そして遊撃として動く勇者と従魔。

 中でもロウは久々の出番になんだか嬉しそうに駆け出している。

 そしてジムニーと馬車の中では気を失った洋一とそれを介護するマリアとセリス。

 そしてそれを守る成長した姿お姉さんモードのラビが陣取っていた。


 ...


「大暴走!?」

 橋に群がる魔物を蹴散らした拙者達は守護をしていた侍達に話を聞いた。

 どうやら魔物達が大挙して都に攻め込んでいるようである。

「あー、もぬすてあ、すたんぴると」

 ぐぬ、商業用語以外の大陸共通語外国語は苦手なのでカタコトになってしまって恥ずかしいでござるがカリン殿もラビ殿も手が離せない以上ローズ殿達には拙者から話すしかないでござるな。

 とりあえずこの守護侍に必要なことを伝えてカリン殿の所まで戻らねば!

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