第144話 飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで
船は順調にヒノモトへと向かっていく何の障害も無い。
「おかしいでござるなぁ」
リューバさんは首を捻りながら言った。
「おかしいって何が?」
俺の問いに。
「いや、海が穏やかなのはいい事なのでござるが荒れてない海だと数回は海棲の魔物が襲ってくることがあるのでござるよ。
それが今回の航行は全く現れないので変に思ったのでござるよ」
聞けばピラニアみたいな飛魚だとか大きめの海蛇のような魔物など危機というほどでは無いが無視できないぐらいの魔物が襲ってくるらしいのだ。
「あ!そういえば」
思えばいつもに習慣でマイさんのポーチからドラゴンテントだけ出してもらってたんだった、流石ドラゴンめちゃくちゃ役に立つ。
そんな会話をしていると。
「ヨッチー!見てみてー!」
そう言われてマイさんの方を見てみると。
「火炎斬!」
そう叫んでマイさんが剣を振ると炎の斬撃がそのまま俺の方に飛んできたので必死で避けると空に向かって飛んでいった!
イテテ、よけたはずみで肘擦りむいちゃったよ。
「おお!すげぇ!何それ!?」
俺が聞くと。
『私が教えた剣撃で間合いの外の敵に速度重視の振りでかまいたちを発生させて攻撃を届かせるという秘技を教えたのですが...』
というローズさんに続いて。
「魔法詠唱しながら使ったら出来るようになったんだよ?
あーしって天才じゃね!?」
と、胸を張るマイさん。
うん、それ天才って言うより勇者チートじゃね!?
「流水斬!」
「閃光斬!」
「暗黒斬!」
更に水、光、闇と続け様に打ち出すマイさん、聞けば普通に魔法を使うより攻撃力は高いらしい。
「おーまーけー!雷光斬!ふう...」
最後に雷を撃ち出して一息つくマイさん、流石に疲れたようだ。
『悔しいわね、あたしじゃアレは真似できないわ』
そう言って的に立ててある板を間合いの外から切り裂くメリル。
いや普通に秘技使えてますやん...。
「あ、ヨッチー!」
そう言ってマイさんがまた剣を振ったけど今度は避けられないコースじゃね!?ちょっと冗談でやっていい事と悪いことがあるんだけど!?
飛んできた斬撃は俺に当たるが痛いも熱いもない、アレ?
「ふっ、回復斬...」
カッコつけたマイさんが剣を振った型のままそう言った通りさっき擦りむいた肘が綺麗に治っていた。
「ってすげえけど怪我の原因もマイさんだかたね!?」
と俺が叱るとマイさんは。
「ゴメンゴメン、最初手元狂っちゃって怪我させちゃったからね、もう痛くない?
痛いの痛いのとーんでけ!」
いや飛んできたのは痛くなくなる方のやつですけどね。
「まあ新しい力を手に入れるのはいいことだし海も穏やかだし魔物も出ないから安全だよな」
と俺が言うとマイさんが。
「いや、ヨッチそれって...」
あれ?俺また
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