第142話 ビルが見える教室で
「ところでマイよ、お主あの時のことは覚えておるのじゃろう?」
船室の中は女性陣のみ、洋一はノヤーロと共にロウとラビを連れて甲板でリューバと話している。
故にカリンも特に通訳はしていない、何故かと言うと...。
「お、おお!覚えてねーし!
あーしがヨッチに告白した事とか!」
こんな会話をしているので万が一急に洋一が入ってきても大丈夫なようにだ。
まぁマイとカリン言葉は伝わってしまうがそもそもこの面子であれば通訳は必要ないのである。
『なんで覚えてるってわかるんですか?アイさん?』
そう問うカリンに。
「簡単な事じゃ、ヨーイチは間違って飲んだと思い込んでいるようじゃがワシは見ておったぞ?
マイ、お主あれを言うきっかけ作りに自分で呑んでおったじゃろう?」
確かにそうである、あの時洋一とリューバが会話していたためみんなそっちを見ていたのだがマイは酒をじっと見つめ覚悟を決めたように一気にあおっていたのである。
「マジアイちゃんにはかなわないし。
そーです!タイミング測ってました!
バレたらはずかしーし!」
舞は顔を真っ赤にしながらそう言った。
「と言うわけでじゃな、丁度ヨーイチもおらん事じゃしここいらで
アイはスックと立ち上がるとそう言った。
「
皆様と一緒愛されたいですがもしヨーイチ様が誰か一人をお選びになってもお情けを頂いてヨーイチ様の分身を身籠りたいと思って居ますわ」
いきなりぶっ飛んだマリアの発言だが。
「それならば
と、セリスも若干歪んだ形ではあるが洋一とマリアへの愛を語る。
『わ、私はまだ子供とかわからないけど...マリアさんにされたような事...お兄ちゃんなら...いいよ?』
と、洋一本人が聞いたらぶっ倒れそうなことを言うカリン。
「ま、まぁヨーイチに一番初めに会ったのはアタシだし?
嫌いだったらこんな所まで来てないわ」
性的な事や子作りの話は恥ずかしいのか若干ツンデレ風味で同意するメリル。
「私の場合みんなとちょっと違う立場なのだが...ヨーイチ殿の事は憎からず思っています。
魔王の脅威を退けるためマイ殿メリル殿に剣を教えるために同行させて頂いておりますが...ノヤーロに組み討ち教えている姿を見ているととても頼りがいがあり実の兄弟のようでしたのでいっそのこと...とも思っています」
意外なことにひょんなところで惹かれていたローズだった。
「なおここにおらぬがラビは「食欲も性欲も満たしてくれそうなヨーイチは好きだよ!」などと言っておった」
そうしてみんなは舞の方を見る。
「あーしもヨッチの事は好きだよ、ただあーしの場合魔王を倒したら元の世界に帰る選択も選べるんだよね、ついでといってはなんだけどヨッチも。」
舞の言葉にみんな驚いた顔をする。
「だからさ、まだ決められないんだよね。
元の世界のあーしは病弱でさ、友達もろくにいなかったからみんなと仲良くなれて嬉しい。
でも女手ひとつで頑張ってくれたママに元気な姿を見せたい、会いたいって言う気持ちもあるから」
スッと目を伏せる舞に誰も声をかける事ができなかった...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます