第125話 テケレッテッテッテッテ!

 アミダラさんや雑貨屋の親父さんに見送られてセイゴの街を後にした俺たち一行は驚愕していた。

「スライムが...出ないだと?」

 未だ雨の少ない時期は脱していないはずなのだがあれほど隙あらば湧いていたスライムが湧いてこないのだ。

 半信半疑でマイさんのポーチにドラゴンテントを収納してみたら普通に遭遇した、これやべえアイテムじゃん!

 なお遭遇したそばから片付けてしまうあたり流石勇者パーティ、俺の存在意義はますます運転手になっていった。


「こりゃ明日の夜にはソマリンに着いちまうぞ?」

 初日の夜、野営の準備をしながら俺は言った。

「えー?荷馬車引っ張っててもそんなもんなんじゃないの?

 何日もかかるって言ってたからあーし拍子抜けなんだけど」

 うんうん、マイさんは知らないだろうけどものすごくたいへんだったんだぞ?特に往路。

『あの時ヨーイチ様が最初のスライムにやられていたらこうやってみんなで旅する事も無かったのですわね』

 あったなぁ俺がスライム舐めてて危うく死にかけたやつ。

『まぁヨーイチは出来なくてもあたしは剣で倒せるけどね』

 メリルよ...そうは言うけど君天才だったんだからね?

『おにいちゃんは私が守るもん!』

 そうだね、カリンももう魔法使えるもんね。


 正直戦闘で俺は役目を終えたと言っても良いだろうな、まぁ最悪の場合事も辞さないけど。

 一応教えてはもらってるし考えもあるんだ。


 おっといけない、俺のもう一つの大事な仕事を忘れてたぜ!


 それは...。


 みんなに美味しいご飯を食べてもらう事だな!


 移動して野営してご飯作って、なんだ俺キャンパーに戻っただけじゃん。

 戦ったりなんだりを気にしなくて良いなら戦えるみんなに快適なキャンプを提供する、うん!こっちの方が精神衛生上良さそうだ!


 というわけで今日のメニューは揚げ鳥の香味野菜甘酢ソース掛け!


 街で買ってきておいた鶏肉に小麦粉の衣を付けてカラッとあげて切り分ける!

 お酢と砂糖にネギもどきと玉ねぎもどきを入れて...ゴマ!

 混ぜてかければ!


 揚げ鳥の香味野菜甘酢ソース掛けなんちゃって油淋鶏の出来上がり!

 なんかもう3分クッキングみたいになってきたな。


 それでは恒例のー?

「いただきます!」

『イタダキマス!』


「へー!おいしい!やっぱヨッチは料理上手いねー!あーし料理出来ないからポーチの調味料とか食材もヨッチが居なかったら宝の持ち腐れだったと思う!」

 みんなもうまうまと食べてくれてる、うん!これが俺の異世界での立ち位置だな!

 願わくばこの旅で誰も欠ける事がない事が俺の願いだな!




 遅ればせながらカクヨムコン参加することになりました。

 ジャンルラブコメでタイトルは

「こあくまたまご」

 です!

 読んでいただいて面白かったら星等よろしくお願いします。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054934768420

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