第102話 HEY!FRIENDS
「あーしはさ、地球で死にそうになってた訳。
そしたら女神様が来てこっちで勇者をやらないかって誘われてさ。
それでやるって言ったらこっちに飛ばされたんだけどなんか森の中でさ、教えられたアンタに気配を追っかけて何とかこの村に着いたって訳」
なるほどな、苦労したんだな、というか俺も勇者の仲間になるなら何かチート的な能力が..。
「あ、女神様から伝言あったんだった、洋一は召喚もされてないのでチートは無し、ただ報酬は持たせてる、だって」
なんだとー!?やっぱただの流浪者は何の恩恵も無いのかー!?
ん?報酬?
「なんかさー、このポーチって物がいくらでも入れれるんだって、それに初期状態で必要なものを消費なしで出せるって言ってた」
ほほう、じゃあ俺がアッシー(死語)をする報酬がそこに入っているって事か?
「へぇー、何が入ってるんです?」
俺は平常心を保つべく落ち着いた感じで尋ねる。
「んー、ちょっと待ってね。
何これ?お醤油?」
ショーユキターーーー!!!!
「あとはお味噌とか...何これ調味料ばっかりじゃん」
俺は
マイさんの手をヒシッと握って。
「君のような逸材を待っていたんだ!異世界に来てくれてありがとう!」
と言うと。
「べ、別にアンタの為に来た訳じゃねーし...ってか近い近い...」
と、顔を真っ赤にしていたので一旦離れた。
...
はぁ、ビックリした。
アタシはギャル!強くて我が道を行くギャル!
最後まで親孝行出来なかったけどママが昔やってたって言うギャルだ!
寝起きですっかり素のまま会話していた事は記憶の片隅に追いやってアタシは自分を奮い立たせる。
せっかく異世界に転生したんだ、ギャル勇者として。
もちろん頼まれた魔王は倒さなきゃならないんだけどその報酬として健康すぎる身体と新しい人生を貰ったんだ!ちゃんとギャルしなきゃ!
スマホで調べたんだもん!今のギャルは自分のことあーしって言うんだって!
でも外見はママリスペクトで古いって言われてもガングロギャル、これは譲れない。
闘病で無駄にした青春をアタシは異世界で取り戻すんだ!
って洋一さんが手を握ってきた!?
近い近い近い!
生まれてこの方恋どころかお医者さん以外の男性と触れ合った事なんて無いんだから恥ずか死ぬ!
はぁ...はぁ...、やっと離れてくれた。
ドキドキが止まらないんだけど苦しく無い!?
嬉しい!病気の時はドキドキしただけで身体中が苦しくて辛かったのに!健康って...凄い!
なんか名は体を表すみたいで言いたくなかったんだけどこの身体だったら気兼ねなく名乗れそう!
「あ、あーしのフルネーム言ってなかったね。
アタシはそう言うと洋一さんは。
「よろしくな」
そう言って握手してくる。
だから近いってば...。
「あ、そうだ」
洋一さんは何か思いついたように呟いた。
「泥とか葉っぱとかで汚れてるからお風呂入ってきたら?睡眠と食事してもまだ疲れてるでしょ?この家小さいながら湯船あるからゆっくり浸かるといい」
そう言われて思う。
えー!お風呂入れるの!?
病気も末期になるとお風呂どころか良くて清拭しか受けれず折角この世界に来たのにずっと山の中だったからお風呂入れるのは凄く嬉しい!
「はい!いただきます!」
あ、今のギャルっぽく無いよね...でもいい!(前世含めて)久々のお風呂だ!
あたしはウキウキでメリルちゃんとカリンちゃんに連れられてお風呂に向かった。
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