第91話 ミラクルみんな来る
『ヨ!ヨーイチ殿!?ラビ殿とはいったい何者なのです?』
というローズさんの問いにチラリとラビを見るとコクンと頷いてくれたので。
「ああ、アルミラージはご存知ですか?あの魔獣から発生した群れのボスの魔物なんです。
普通のアルミラージと違って意志の疎通もできますし変身する事も出来るんですよ」
というとラビをマジマジと見て。
『撫でさせて頂いても...よろしいのですか?』
と、はあはあ言いながら聞いてくるので。
「ラビは話せるので本人に許可を貰えば良いでしょう」
と答える。
『ラ、ラビ殿!少し撫でさせて頂いても宜しいですか?』
『いーよー。
痛くしないでねー』
その返事にローズさんは手をプルプル震えさせながらラビを抱き上げ胸元に抱えて撫で始める。
『むっはぁ!コレは!』
興奮しているのか喜びの為か?顔溶けてる溶けてる!
ってか服装のせいでくっ殺のあと快楽落ちした女騎士みたいな顔してんな。
『はぁ...はぁ...はぁ...すみません、取り乱しました...』
一頻り撫でて落ち着いたのか元の顔に戻るローズさん。
『アルミラージを撫でる事が心地よいのは知っていたのですがこんなに大人しく撫でさせて頂けたのは初めてで少々我を忘れてしまいました』
ほうほう、それは何より...ってアルミラージを撫でた事あんの!?
『あ、デメジーから聞いたことあるよー!
別の群のアルミラージを撫でる美人でおかしな人間が居るってー。
襲おうとしたらガッチリホールドされて撫でられるんだって!
嫌がって暴れても逃げれないし捕まったアルミラージやその仲間が攻撃してもビクともしないんだって。
ヨーイチ達に預けられる前に注意事項だー、って教えてくれたー』
「ローズさん...あんた...」
『ああ、ヨーイチ殿、心配は無用だ。
私は騎士として鍛えている為アルミラージに攻撃を受けても貰ってかすり傷程度だ!』
と、ものすごくいい笑顔をしてくれる。
「いやそうじゃないからね、そっちの心配してるわけじゃないからね!?」
はぁ...なんかドッと疲れた...。
立ち止まっていてもなんなのでラビの案内に従ってみんながいる方に向かう、なおラビはローズさんに抱っこされたままだ。
それでいいのか野生動物!?とも思ったが走り回って俺を探してくれたのだ、楽できるならそれに越した事はないだろう。
『どうしよう、ヨーイチ殿、可愛すぎて離れたく無くなって来たのだが』
歩きながらそんなことを言い出すローズさん。
「いやそんな事言っても貴女この街の騎士様でしょ?滞在中はラビが良いなら空き時間に遊びに来れば良いけど俺たちは数日でエルピオーネの村に出発しますよ?」
俺がそう言うとローズさんは真剣な顔で悩み始めたのだった。
『おにいちゃーん!良かったぁ!』
カリンが駆け寄って来てひしっと抱きついて来た。
サングラス着用し始めてからうっすらとでも見えるおかげかこの子も活発動けるようになって来ている。
『まったく、迂闊に金貨なんて落とすからトラブルになるのよ?大金持ってるんだから気をつけないと!』
と、メリルに怒られてしまった。
『あら?そちらのラビを抱っこしていらっしゃる方はローズ様ですわね?』
というマリアの問いに。
『お久しぶりですマリア殿、逸れたヨーイチ殿とお会いしたのでアミダラ商会まで送り届けようとしていたところラビ殿と合流出来まして』
そう言いながらラビを撫でる手は止めない。
『それにしても全員が合流出来て良かったです』
と、セリスが喜んでいると。
『しかしヨーイチを探し回って腹が減ったぞい、お主には罰として美味い飯でも食わせてもらうとするかの?そこの騎士の嬢ちゃんもどうじゃ?』
と、アイさんが言うがローズさんはいきなり幼女に「嬢ちゃん」などと呼ばれてポカーンとしている。
「迷惑かけたからな!セリス、近くに美味い飯屋あったら教えてくれ」
アイさんの事は飯でも食いながら説明すれば良いだろう、俺たちはセリスおすすめの店に向かうのだった。
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