第73話 ツいてツいてツキまくる〜

 スライム対策を考えているとカリンとマリアが起きてきた。

 お昼寝と言っても昼前から昼時まで、いい加減お腹も減ってきた。

『そろそろ昼じゃがお主らどうするのじゃ?』

 タイミングよくアイさんがやってきたので食事にするとしよう。

 ここは海の街...魚かな?

「アイさん、ここって魚を生で食べる習慣ありますか?」

 俺の問いに。

『沖まで出る漁師は生で食う事もあるようじゃが一般的では無いのう』

 なるほど、食えなくはないんだな。

「じゃあ買い物に行きましょうか、泊めていただいてるので昼飯作りますよ」


 さて何があるかな?生で食えるなら刺身もアリだな...などと考えていたらとあるのにが目に入った。

 アレ?これ玄米じゃね?

 俺は懐からただの文鎮と化していたスマホを取り出すと電源を入れサバイバルブックを開いて検索する。

[玄米 精米 方法]

 すると...「ビンなどに入れて棒でつくと精米出来る」と出てきた!

 アレか!昔の戦時中のドラマとかで子供がやってたやつ!

 コレなら...いける!

「こんにちは!その米!売っていただけますか?」

『うわっ!びっくりした。

 なんだ?魔法か?』

 急にカリンの魔法通訳で話しかけたので驚かせてしまったか。

「はい、魔法で通訳してもらってます。

 それより親父さん!その米!穀物って売り物ですか?」

 俺の問いに店の親父さんは。

『ああ、船便でお試しってやってきたんだが粉にするかどうやって食うものかよく分からなくてな』

 しめた!

「俺の知ってる穀物に似てるから多分同じ食べ方でいいと思うんだけど教えたら安く譲ってもらえますか?」

 そういうと親父さんは。

『いいぜ!売り物になるなら助かるからな!』

 と、承諾してくれた。

 俺はすぐにマリアに頼んで細長い壺と棒を買ってきてもらう。

 しかしここで気がついた、今から精米してるとみんなお腹すいてるのに時間がかかってしまうんじゃないか?

 よし!まとめてやっちまおう。

 俺はセリスさんにお金を渡し腹押さえの軽食を見繕ってもらう。

 メリルにはジムニーから包丁まな板とライスクッカー、さらにバーナーと水を取ってきてもらう事にする。

 壺に玄米を入れて棒で突く!ひたすら突く!

 突きながら親父さんに聞く。

「ここらへんで漁師さんがやってる魚屋はありますか?」

『ああ、そこの3軒先にあるよ』

 よし近いな。

 何度かコメを確認するといい感じにヌカが取れてだいぶん白くなっている、七分搗きってやつぐらいか?

 よし、こんなもんだろう。

 ちょうど戻ってきたメリルからクッカーと水を受け取りまずはざっと洗う。

「本当は目の細かい網とかで米とヌカを分けるべきなんですけど今日は無いので水洗いします、すぐ調理しますから」

 などとさっき調べた知識をさぞかし知ってましたみたいな顔をして話す。

 ささっと米を洗って...。

「ある程度米を洗ったら鍋に入れて指の先の関節ぐらいまで水を入れます」

 本当は1合に約200ccで行きたいが炊き方を広めるならこっちが簡単だろう。

「そしたらおよそ30分ぐらい水につけて吸水させるので今のうちに魚屋に行ってきますね」

 そう言って俺はカリンと共に魚屋に向かった、米が見つかるなんて俺はラッキーマンだな...などと思いながら。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る