第30話 一考の価値あり

 ワズマーミ・ズ・ゲイはこの村で一番の水魔法の使い手らしい。

 俺が股間...体を洗った謎の井戸?もワズマーミさんの魔法あっての物とか。

 井戸や排水など治水を全て管理しているスゴイ人だとか。

 更に彼は子供達の為に大道芸もやっている、何処かの駄女神が「花鳥風月〜!」ってやってるアレな。

 俺も一度見せてもらったがいろいろなとことから細い水を吹き出させてクライマックスは何も無い背景に大波を出現させるという神業だった。

 なので思ったんだ、太くできるなら細くもできるんじゃ無いかと。


『あ〜ら、お呼びがかかったと思ったらヨーイチちゃんなの〜?』

 これだ、俺が苦手な理由。

 最初に会った時思わずネシンさんに聞いてしまったよ。

「彼の性嗜好は異性か?」

 と。

 別にゲイならゲイで良いと思うんだ、元の世界の友人にも居たしな。

 ただね、彼ネシンさんとか他の人には“普通に話す”んだよ!

 なんで俺と話す時だけオネェ口調になってナヨっとするんだよ...。

 そういえばゲイの友人が言ってたっけ...「ヨーイチはゲイ受けする容姿だ」って。

「まぁ俺はジャニ系美少年がタイプだからお前を口説こうとは思わないけどな」

 とも言っていたな。


 時を戻...じゃない話を戻そう。

 俺はワズマーミさんに最高出力で最も細い水を指先から下向きに出せるか聞いてみたらできるとの事。

 なので作業台に穴を開けその下に水を満たしたバケツを置いてそこに向かって撃ち出してもらう。

 シューーー!

 いい感じに準備ができたと感じた俺は。

「フォースさん今です!」

 フォースさんが粗くしか切り分けられていなかった板を滑らす!

 狙い通りに水はスパッと板を切り分ける。

 これを数度繰り返すとそこには希望通りの寸法の板が出来上がっていた。

『凄いじゃないかヨーイチ良くこんな事思いついたな』

 ネシンさんが褒めてくれる。

「いや、元の世界で冷凍マグロ...凍らせた魚を切るときに使われている技術なんですよ」

 と、そこまで言って気づいた。

 この村の保存技術も冷凍だった事に。

『コレを使えば冷凍肉も簡単に切り分けれるな』

 とフォースさん。

『それだけじゃないぞ、この魔法俺の使うどの魔法より攻撃力がある、騎士の鎧だってサクサク切れるぞ』

 ほら俺以外には普通に喋ってる。

『じゃあ今度からワズマーミにも村の守りを手伝ってもらえるな』

 とネシンさんがいうと。

『も〜!ヨーイチちゃんのせいでアタシの仕事が増えちゃったじゃな〜い!どんだけ〜!」

 と返すワズマーミさん。

 あんた本当は転生者で美のカリスマとかじゃないよね!?

 こうして目的の素材を手に入れた俺たちは家に帰りバネサス機構を作り始めたのだった。

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