第26話 違う、そうじゃない
あ、ありのまま(ry
おかしな時間に目が覚めたらおかしなことになっていた。
なんだこれ?寝る前のことを思い出すと...カリンがいい匂いしたので危なく欲情しかけて必死で寝た、と。
で夜中に起きたらこれってありえないだろ?
俺が男子中学生ならわかる、興奮したまま寝たらそうなるかもしれない。
だが俺は44歳のおっさんだし定期的にセルフプレイもこなすベテランだ。
万が一ありえたとしても普段からこんなに出ないからね?若い頃もなかったからね?
いけないいけない、このままだと一緒に寝ているカリンを汚しかねないしシュラフの中がすごいことになってしまう。
俺はそっとシュラフから抜け出すとジムニーに向かった、酒の中に滋養強壮効果のありそうなものあったっけ?などと考えながら。
ジムニーから着替えを取り酔い覚ましがてら村を散歩する。
いきなり始まった飲み会に村を見回る機会がなかったのと井戸か何かないとこのまま着替えたところで下半身が気持ち悪くて仕方がない。
木々の間から月明かりが射し光源がなくてもなんとか歩けるのは助かる、村には10軒少々の家があるようだ。
家々の丁度真ん中に広場がありそこには不思議なツボが置いてあった。
石造りの台の上に乗った口が四隅だけ注ぎ口のようになっているツボから一定量の水が湧き出しているのである。
井戸?なのだろうか?
ポンプ音や機械が見えないところを見るにきっと魔法で汲み上げているのだろう。
あれだけの雨が降りしばらくすると引いてしまうところを見ると表層あたりは透水性の高い土でその奥に貯水する層があるのだろう。
色々考えても仕方がない、俺はそこに置いてあった木製のたらいを借りると水をためパンツを脱ぐ、そのパンツをまず洗い絞ったもので股間も拭く、ひんやりして気持ちがいい。
綺麗になったところで新しいパンツを...と思った瞬間後ろで足音がした。
「誰だ!?」
振り向いた先には両目を掌で覆ったメリルちゃんがいた。
というより覆ってはいるが指の間から瞳が丸見えになっている、つまりがっつり見られている。
「ゴブリンヨーイチ...」
いやみんな寝てると思って隠さずに着替えたりしていた俺も悪いけど下半身丸出しなだけでゴブリン呼ばわりは酷くない!?
と、俺は致命的なことに気づいた。
今はカリンが居ない!!
またあらぬ誤解をされると今度こそネシンさんに殺されてしまう!
俺はそっとパンツで股間を隠すと指を顔の前に立て。
「シー」
と言ってみた、困ったときのボディランゲージだ。
メリルちゃんは頭の上に?マークが浮かぶような表情をする。
くそっ!通じないか!
ならばと俺は両手で口をふさぐジェスチャーをする...がその勢いでまた見えてしまった下半身を凝視される。
俺は慌ててパンツを腿の間に挟んで隠すと改めて口をふさぐジェスチャーをする。
メリルちゃんは顔を真っ赤にしながらもコクコクと頷いた。
その隙に俺は後ろを向きパンツをはきズボンも一気に履く。
さてどうする?
最善の策としては「下着を汚してしまったので洗って着替えに来た」と伝えることだがそうするとカリンに夢精したことがばれる。
お兄ちゃんと慕ってくれる自分を抱きしめて夢精する男...無いなぁそれ。
とにかく俺はジェスチャーで伝えようと頑張った、超頑張った。
寝るジェスチャー、股間から漏れ出すジェスチャー、這い出すジェスチャーに洗うジェスチャーなどなど。
一通りやり切ったあとメリルちゃんはうんうんと頷いたので俺は胸をなでおろし二人で家まで戻る。
メリルちゃんがジェスチャーで伝えてくれたのは俺が出ていくのが見えたので心配?になって追いかけたようだ。
やっぱ人間言葉が通じなくても伝えようと努力してみるもんだなぁ!
そう思っていた時期が俺にもありました...。
翌朝早起きして昨日はごちそうになったので朝食を作ろうとしていた時メリルちゃんがスススっとカリンの横に行き何かを小声で囁いた瞬間カリンの顔が真っ赤に染まった!
『昨日はお楽しみでしたね?可愛がってもらってよかったね?ってピメリ何言ってるの!?』
あー、伝わってないわー。
このままじゃ辛い...。
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