第27話 さぁ!食べてみてよ!
「ちょ、ちょ待てよ!」
俺は慌てて声をかけたせいでどこかのジャニーズみたいな台詞を吐く。
「俺は昨日カリンに指一本...は触れたけど性的な接触なんてしてないからな!?」
メリルちゃんは小首を傾げて 違うの? みたいな反応をする。
さてどうしたものか...これはもう覚悟を決めるべきだな...。
「お、おならをしたんだよ昨日の夜中!そしたら酒を飲んで寝たせいかそのまま粗相をしてしまってね、それでパンツを洗ってたんだ!それをジェスチャーで伝えたらメリルちゃんが勘違いしたみたいなんだよ!」
うん、まぁ嘘なんだけどさ、手も出してないのに性犯罪者みたいになってしまうより俺はうんこたれの道を選ぶ。
『お兄ちゃん大丈夫?お腹痛いの?』
あー、痛え!カリンの優しさが痛え!
「大丈夫だよ、別にお腹壊した訳じゃないからさ」
『よかったぁ』
カリンに嘘ついた分心は痛いけどな、こんな優しい子が忌子なわけないよな。
「ゴブ『ヨーイチごめんなさい、あたしが勘違いしてたみたいね』
おい、今俺の名前ゴブリンと間違えなかったか!?メリルの通訳の前に肉声で「ゴブ」って聞こえたぞ!?
「いやー、昨夜はカリンが居なかったし仕方ないさぁ、幸い寝袋も汚して無かったしね」
ここは大人としてゴブリン発言はスルーしておこう。
「とにかく昨日の宴のお礼に朝ごはん作ってるからネシンさんも起こして来てくれないか?その間に仕上げておくからさ」
メリルちゃんは頷くとネシンさんの寝室に向かっていった。
さて朝ごはんのメニューだが、飲んだ後はこれだよなって事でシジミのお味噌汁だ!インスタントの味噌汁各種は持ってきているし塩が貴重なら味噌汁の塩分もちょうどいいだろう。
白米ももうすぐ炊き上がるしあとは焼き鮭でも欲しいところだけど生憎魚は長期保存が難しいから持ってきていない。
肉はたくさんあるが朝だからさっぱり行きたいところだが...俺はバラ肉の残りを薄切りにしていく。
カリンにシチューなどに入れる葉野菜が無いか聞くと畑にあるとの事なので連れて行ってもらうとほうれん草とチンゲンサイの中間みたいな野菜と丸くないキャベツのような野菜があった、日本で言うグリーンリーフっぽいな。
俺はキャベツ系の方を一房もらうと厨房に戻り刻んで茹でる、味見をしたがちょっと癖のあるキャベツな感じだ、これならイケる。
俺は別の鍋で沸かした湯にバラ肉を通して少し赤いぐらいで皿に上げていく、豚っぽいけどあとは余熱で火が通るだろう。
茹でたキャベツもどきと火が通ったバラ肉のをザルで水切りして皿に盛り付けて外気の触れるところへ。
準備は万端だ、口に合えばいいが。
『おはよう...』
ちょうど良くネシンさんが眠い目を擦りながらやってきた。
「おはようございます、昨日のお礼に朝ごはんを作ったので掛けてください」
そう言いながら俺は炊き上がった白米を混ぜてから再度蓋をする、蒸らしが飯の決め手だからね。
カリンに外に出していた皿を取ってきてもらう間に米をつぎ味噌汁もお湯でとく。
小皿には伝家の宝刀ゴマダレとポン酢が鎮座ましましている、野草を茹でて食べたいなと持ってきていてよかった。
完成!朝食用さっぱり冷しゃぶセット!
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