第30話 貘睡眠症(構造解明中編)

 マツリソウ:人間の皆さんこんばんは、ナレーター兼メイドのマツリソウにございます。思わぬ所で瑠空院長のお師匠様と再会したのですが、ラテさんの検査のために向かった2人は大学で彼女達以外の人間と遭遇するのでした。


 魔界時間18:23 帝王都サタンヘイルダム 学術特区リバイアス国際医科大学


 ラテ:ここが、瑠空のお世話になってた大学ね。


 瑠空:はい、先生を診てくれるのは魔導医学部のニーナ・ウォルマート教授です。


 薬学部の方へ歩いて行く人族の女性に気付く


 瑠空:あれ?あの人・・・


 ラテ:私達と雰囲気は違うけど同じ人間みたいね。


『魔導医学部』


 瑠空:ウォルマート教授、失礼しま〜す♪


 ニーナ:あいよ、その辺適当に座ってな。


 マツリソウ:この方がリバイアス国際医科大学魔導医学部のニーナ・ウォルマート教授、種族はドラゴニュート族です。


 ラテ:龍人りゅうじん、ドラゴニュートね。


 ニーナ:そこのベッドに横になりな。


 瑠空:先生の事ですよ。


 ニーナ:それと、薬学部に行って神凪草かんなぎそうを貰ってきてくれ。の事だから、しこたまストックを溜め込んでるだろうから。


 瑠空:神凪草って、あの神聖力しんせいりょくの流れを止める効果のある薬草ですよね?どうしてそんな物を?


 ニーナ:この姐さんのに関係してる事だよ。


 瑠空:は〜い。


 ニーナ:いいかい、ドリアード族のヘレン・プランターノ教授だからね。


『薬学部』


 ???:はい、これが頼まれていた仙覚草せんかくそうの花です♪


 ヘレン:・・・


 マツリソウ:この方がドリアード族で薬学部教授のヘレン・プランターノさんです。無口な方で、あまり必要以上の事は喋りません。


 瑠空:すみませ〜ん、ウォルマート教授から神凪草を貰ってくる様頼まれたのですけど、プランターノ教授の研究室はここで合ってますか?


 左側の棚の中段を指差す


 ヘレン:・・・あれ。


 瑠空:は〜い、貰って行き・・・あ、貴女はさっきの。


 カナコ:花咲神奈子はなさきかなこといいます、気軽にカナコって呼んでください♪


 瑠空:瑠空総合病院で院長をしてます瑠空です。


 カナコ:私は医療特区で花屋をやってます。


 瑠空:同じ人間なのになんだか雰囲気が違うというか。あっ、すみません!初対面の人に失礼な事。


 カナコ:気にしないでください♪


 ヘレン:それは多分、2人の住んでた世界の文明が科学と魔法の発達の違いだからだと思う。


 瑠空:教授、それは?


 カナコ:それは仙覚草といって、冥界宇宙めいかいうちゅうにしかない希少な花です。その昔、貘睡眠症の特効薬として一時期栽培されていたそうです。ですが、その後の研究で貘睡眠症とは関係がないとされ栽培されなくなってしまい今では自然界で自生してる分しかなくなったそうです。


 瑠空:貘睡眠症の特効薬⁉︎


 ヘレン:薬効のあるのは花弁はなびらの部分、それ以外は・・・ただの花の一部。でも、その薬効も貘睡眠症とは無関係。


 瑠空:(花弁は花粉を運ぶ昆虫を呼び寄せる効果があるって・・・ん?虫?もしかして)教授、その花を一輪貰えないでしょうか?


 ヘレン:良いけど・・・どうするの?


 瑠空:もしかしたら、貘睡眠症に効果があるのはのかもしれません。


 ヘレン:・・・どういう事?


 瑠空:それはこの花を調べてみれば分かります。カナコさん、花の専門家として手伝ってくれませんか?


 カナコ:はい、私で良ければ喜んで♪


 後編へ続く・・・












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