第28話 貘睡眠病(発病)

 マツリソウ:人間の皆さんこんばんは、ナレーター兼メイドのマツリソウにございます。皆さんはばくをご存知でしょうか?そう、悪夢を食べるとされる幻獣です。今回は瑠空さんの目の前で突如として昏睡状態こんすいじょうたいおちいった方が現れます。果たしてその症状の正体とは?


 魔界時間17:39 獣王界 幻獣保護区げんじゅうほごく


 ダニエル:この様に、密猟者みつりょうしゃによつて怪我をした幻獣達が自然界に戻れる様にするため様々なエリアが設けられております。


 マツリソウ:この方は、リバイアス国際医科大学で幻獣医学部の教授をなさっておりますダニエル・クリプト様にございます。


 スミス:あそこに居るのは貘ですな。


 マツリソウ:こちらは魔界宇宙国際感染学研究所に所属している、スミス・ウィルス博士でございます。


 瑠空:貘といば、デモン・ナイトメア・スリプノーマ症。通称、貘睡眠病ばくすいみんしょうを引き起こすんですよね?寄生虫感染症きせいちゅうかんせんしょうの。


 スミス:ほほう!お若いのによく勉強なさっておられる♪左様、病原性寄生虫びょうげんせいきせいちゅうを保有する貘からベルゼバエの刺咬しこうを介して魔族等に伝播でんぱするのです。


 貘のえさを運ぶ飼育員


 飼育員:ほ〜ら、ご飯だよ〜♪


 瑠空:貘は野菜を食べるのですか?


 ダニエル:貘は基本草食です。悪夢を食べるとされておりますが、それは体内の魔力が枯渇こかつしそうになる時による生存本能の一種なので悪夢が主食というわけではありません。


 瑠空:そうなんですね。あ、尻尾を激しく振ってますね。


 ダニエル:あれは、ベルゼバエを追い払っている行為です。ベルゼバエは貘などの幻獣の血液を好むため、あの様に追い払っているのですよ。


 瑠空:まるで、私の居た人界の牛みたいですね。


 ダニエル:そう言われるとそうですね。


 突如倒れる飼育員に慌てて駆け寄る3人


 ダニエル:大丈夫ですか!しっかりしてください‼︎


 スミス:この症状・・・いかん!今すぐ彼を連れてこの場を離れるんじゃ!


 2人がかりで急いで運び出す


 瑠空が首筋のれを見付ける


 瑠空:ウィルス博士、ここを見てください!


 スミス:これは、それにこの昏睡状態は間違いなくベルゼバエに刺咬されておる。


 瑠空:という事は・・・


 スミス:デモン・ナイトメア・スリプノーマ症、貘睡眠病じゃ。これは、魔界宇宙国際医学界で難病指定されている病気だ。未だ明確な治療法は見つかっておらん。


 瑠空:・・・私がやります!

 

 スミス:貘睡眠病を治すというのか⁉︎さっきも言ったが、これは魔界宇宙国際医学界で難病指定されている厄介な病じゃ。


 瑠空:だからです、誰かがやらなきゃ助かる命も助からなくなる!


 スミス:・・・フッ、医師のかがみじゃな♪宜しい、私も全力で協力しようではないか!
























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