第12話 石化白内障(新薬完成)
マツリソウ:人間の皆さんこんにちは、ナレーター兼メイドのマツリソウでございます。石化白内障患者、緑川様の治療のためにバジリスク族の水晶体からヒントを得た瑠空院長は魔界宇宙製薬会社の最大手、
魔界時間15:07 妖凱製薬グループ医薬品研究所
研究員:成る程、バジリスク族野生種の眼球にある古い水晶体とは盲点でした!
瑠空:薬の配合パターンからすると、バジリスク族の水晶体1つでメデューサ族200人分の目薬が作れる計算になります。
研究員:しかもバジリスク族の水晶体は毎日生え変わるから量産も可能になる!
瑠空:目薬の原液だとかなり強いので、洗面器程の水で薄めれば原液一滴で頭の蛇の目全ての一回分に相当します。
研究員:あとは治験を行うだけですね。
瑠空:そもそも石化白内障はデスクワークをするようになったメデューサ族にある現代病なので、モルモットの様な治験は難しいと思います。治験参加に緑川さんが名乗りを挙げてくれましたけど、万が一失明とかしたらと思うと。
研究員:そうですね、そもそもメデューサ族の頭の蛇の目とモルモットでは眼球では基本構造が違いますからね。電子機器や機械の動作実験ならまだしも、新薬の治験となると慎重にならないといけませんね。
???:バジリスク族の眼球とメデューサ族の頭の蛇の目は基本構造が一緒なわけですよね?なら問題ないじゃありませんか♪
瑠空:それはそうですけど・・・って、緑川さん⁉︎どうしてここに?
静佳:どうしてって、ここ私の勤務先ですよ。
瑠空:そっか、ここが緑川さんの職場だったんですね。なら最初からそう言ってくださいよ!
静佳:あれ?言ってませんでしたっけ?
瑠空:聞いてませんよ〜。
静佳:この新薬が完成すれば同じ病気で悩む同胞達の希望になるんです、やらせてくださいよ♪
瑠空:失敗すれば失明の恐れがあるんです、それでも良いんですか?
静佳:それでも、誰もやらなかったら魔界宇宙の医療技術は歩みを止めてしまいます。誰かがやらなきゃいけないなら私がやっても良いのではないですか?それに、先生の事信じてますから♪
瑠空:緑川さん・・・分かりました、お願いします!
洗面器に水を入れて新薬を一滴垂らす
瑠空:色が青くなった、先ずここまでは医薬品設計の通り。
頭の蛇を新薬の入った洗面器に浸ける
瑠空:その状態で瞬きさせてください。
静佳:はい。
瑠空:では頭を上げて3秒後にゆっくりと目を開けてください。
指示通り3秒後に目を開ける静佳
静佳:・・・見える!くっきりクリアに見える♪
研究員:では視力検査を行います。
5分後・・・
瑠空:どうでした?
研究員:石化白内障による視力低下は大幅回復・・・いえ、それ以上に視力が上がっていますよ♪
瑠空:と、いう事は・・・
研究員:おめでとうございます、新薬は・・・完成です!
瑠空:やったーーーーっ!
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