第11話 石化白内障(治療法発見)
マツリソウ:人間の皆さんこんばんは、ナレーター兼メイドのマツリソウでございます。メデューサ族の現代病である頭の蛇の目が発症する石化白内障の治療法、その兆しをバジリスク族の水晶体に見出した瑠空院長はそのデータからある違いに気付くのでした。
石化白内障治療まで残り1か月 魔界時間19:44 瑠空総合病院 院長室
瑠空:ん〜?
秘書:どうされましたか?
瑠空:リバイアス国際医科大学から取り寄せたデータを見てたんだけどね、バジリスクは文明種と野生種の違いがあるの。
マツリソウ:魔界の魔獣には2種類ありまして、文明種は高度な知能と文明を経て進化した種族。それに対し、原始のまま進化したのを野生種といいます。ぶっちゃけ文明種が服脱いだら外観は全く区別がつきません。ですから、服着て人語を介する方が文明種と覚えた方が早いですよ。
秘書:どの様に違うのですか?
瑠空:水晶体の換装期の周期が先ず違うの。バジリスク族の換装期は新しい水晶体が構築された時に古い水晶体が目から剥がれ落ちるんだけど、使用頻度が低いと新しい水晶体の構築が遅れるからなかなか古い水晶体が剥がれ落ちなくなるの。
秘書:使用頻度の低いのが文明種ですね?
瑠空:正解♪文明種は石化能力に代わる自己防衛法を持ってるからね、それに比べて野生種はそういうのが無いから石化水晶体の石化能力に頼って天敵から身を守るの。だから使用頻度が野生種の方が高いってわけ。
秘書:という事は、治療に最適なのは野生種の水晶体というわけなのですね?
瑠空:またまた大正解♪野生の世界では身を守るために常に石化水晶体みたいなものは新しくしておかないといけないからね。だから野生種の水晶体の方が鮮度が高いの。そういうわけだから明日は獣王界へ行きま〜す!
翌日 獣王界ストーンヘルマン伯爵領
マツリソウ:魔界宇宙には大きく分けて4つございます。魔界宇宙帝王様のお膝元である魔王界、邪神族の邪神界、魔界宇宙の法の番人である地獄界、そしてここ、魔獣達の住う獣王界でございます。獣王界は魔王界と違い魔王様が国家として治めているのではなく、貴族が領土を持って治めているのでございます。
トニー:これはこれは、ようこそお越しくださいました。リバイアス公からお話は伺っております♪
マツリソウ:こちらの方は界立野生魔獣保護区域石化獣類エリアを管轄するトニー・ストーンヘルマン伯爵様でございます。
瑠空:今日はよろしくお願いします♪早速ですが、野生種のバジリスクは
トニー:あちらの水場で日向ぼっこをしているのがそうでございますよ♪
瑠空:私が人界で見た凶暴なのとはかけ離れた癒し系なんですね〜♡なんだかボ〜っとしてるところがカピバラに似てる♪
トニー:瑠空様が人界でご覧になったのは人界で長年カオスを浴びて派生したものでございまして、こちらの温厚な性格なのが本来のバジリスク野生種なのでございますよ♪
保管ケースを瑠空に渡すトニー
トニー:こちらが先程剥がれたばかりの水晶体でございます。
水晶体を見て確信する瑠空
瑠空:うん!これでハッキリした。これなら間違いなく空間転移移植が可能になるし、これを元に目薬も作れる♪
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