第8話 満のお説教

 マツリソウ:人間の皆さんこんばんは。ナレーター兼、琴里様のメイドでマツリソウでございます。何処の病院にも困った患者さんというのは居るものでして、どうやらヘルさんも魔界宇宙の看護師達の間ではブラックリストに載っている方だったようです。


 魔界時間19:23 瑠空総合病院ナースステーション


 満:迂闊うかつだったわ。歴史改変事件の影響で記憶障害になって雰囲気変わってた上に髪型変わってたから全然気付かなかったけど、まさかアイツが私達看護師の間でブラックリストに載ってたあのヘル・ピースだなんて。


 看護師:記憶が元通りなった途端に病室から脱走を繰り返してその都度過度なトレーニング?をして戻って来ると生傷増やすし、治りかけた患部は悪化しかけるしで大変ですよ。本人はリハビリのつもりみたいですけど。


 満:基本、脳筋体質みたいだからねぇ。段階的に身体を慣らして治すって言葉がアイツの辞書にはきっと無いのよ。


 皮膚科エリアへの転移装置前が慌しくなる 


 満:ん?急患かな?


 看護師:何かあったんですかね?


 モニターに映る皮膚科医


 医師:大変だ!特別病棟に入院中の患者が防犯用のケルベロスと格闘して負傷したから直ぐ処置室へ来てくれ‼︎


 満:あのバカ!


『ヘルの病室』


 満:まったく!ケルベロスと格闘するなんて馬鹿しゃないの!


 ヘル:裁判までにリハビリが必要だったからな。


 満:あんな無茶なのはリハビリとは言わん!どういう身体の仕組みしてるか知らないけど軽傷だったから良かったものを、もし大怪我負って退院伸びたらアンタが困るでしょうが!


 ヘル:一般人よりハードなものなら問題ないのだが。


 満:アンタは極めて特殊なハーフなんだから何かあってからじゃ手遅れなの!そんなんだから私等看護師達の間でブラックリスト載るのよ。私もあの検事さんから第2回公判でやる目撃者の証人尋問までに万全な体調にさせろって言われてんの。これ以上世話焼かせんな!


 ヘル:すまない。


 満:それにしても、アンタの記憶障害の原因がだったなんてねぇ。通りで脳外科医達が匙投さじなげかけるわけよ。


 マツリソウ:彼の記憶障害の原因については毎週日曜更新される『裁きの庭の摩耶』をご覧ください。 


 満:ムネミツ皇王様のためにも私達看護師の言う事聞いてよね。


 ヘル:莉音のため・・・か。確かにそうだな、君達看護師の言う通りにしよう。


 満:もう無茶しない?


 ヘル:君達看護師が無茶だと思う様な事はしない、約束しよう。  


 満:宜しい♪そういえば裁判って・・・


 ヘル:人界と境界エリアの時間はほぼ同じだから人界では明日、この魔界では1週間後だな。


 満:い、1週間⁉︎だったら今から24時間体制でみっちりリハビリメニュー組むからビシバシいくわよ!


 ヘル:お、おう。


 満:今から勝手な行動は許さん!分かったな?返事は!


 ヘル:イ、イエッサー‼︎








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