第3話 急患を救命せよ!(後編)

 緊急搬送より2時間後 魔界時間15:00 瑠空総合病院


 満:涼風って、あの涼風凛すずかぜりん博士?DNA細胞医学博士の?


 凛のお腹が盛大に鳴る


 凛:そ・・・その前に何か食べさせて。そこの秘書さんからオファーがかかるまでの3日間研究室に篭りっきりで何も食べてないの。


 秘書:余った昼食用のお弁当でしたらあそこの段ボールにありますよ。


 凛:おお〜っ!いっただっきま〜す♡


 満:流石にあの量は無理でしょう。軽く25人分あるよアレ。


 10分後・・・


 凛:ごっちゃんです!


 満:か、完食しおった!


 秘書:涼風博士、早速ですが。


 凛:分かってる、抗カオス剤は既に投与済み。じゃ、行ってくる。


 転移装置で隔離治療病棟へ向かう凛


『隔離治療病棟』


 凛:ハ〜イ、患者は何処かしら?


 瑠空:貴女は?


 凛:DNA細胞医学博士の涼風凛よ♪


 瑠空:貴女がそうですか!


 凛:さ・て・と〜、どんな感じかなぁ♪


 瑠空が調べたデータを見る凛


 凛:成る程ねぇ、これは私じゃないと無理ね。その点じゃ、院長先生は持ってるわねぇ♪


 瑠空:私、空間細胞外科手術くうかんさいぼうげかしゅじゅつはやった事なくて。


 凛:それは私にまっかせなさい♪院長先生は患者の両肩を掴んでおいてもらえればOKよ。


 瑠空:え?それだけ?


 凛:重要な事よ〜、抗カオス剤を投与したからって、薬の許容量を上回るカオスが流れ込んできたら手術どころじゃなくなるからね。何故そんな必要があるのか、対カオス医療の専門家の貴女なら分かるでしょう?


 瑠空:そうか!カオスにとって純血の人間は天敵。純血の人間の霊媒物質と肉体のタンパク質が合わさって発生するエネルギーを両肩を掴んで流し込む事でカオスの活動を完全停止させる事が出来るですね!


 凛:ご名答〜♪それじゃ、オペを始めましょうか。オペレーションルーム、バックアップよろしく!


 患者の両肩を掴む瑠空


 瑠空:準備OKです!


『瑠空総合病院 次元空間細胞外科手術オペレーションルーム』


 オペレーターA:カオス活性化率100・・・85・・・45・・・15・・・0!カオスの活動停止を確認!


 オペレーターB:空間バイパス解放、オペフィールド展開!涼風先生は準備が出来次第オペフィールド内へお願いします。


『空間バイパス手術専用オペフィールド内』


 凛:こっちはいつでもOKよ♪


 オペレーターC:患部と繋げます!


 凛:ではこれより、カオス細胞核摘出手術さいぼうかくてきしゅつしゅじゅつを始めます!神聖細胞麻酔しんせいさいぼうますい


 凛の右側に神聖細胞麻酔が転移される。


 凛:先ずは神聖細胞の活動停止確認っと。次、魔源細胞麻酔まげんさいぼうますい


 凛の左側に魔源細胞麻酔が転移される


 凛:魔源細胞の活動停止も確認。さあ、ここからが本番よ!先ずはカオス細胞核と神聖細胞そして魔源細胞の結合部を切除っと。


 切断部分から繋がろうとするカオス細胞核


 凛:活動停止してもなお再生しようとするなんてタフな奴ね。でも残念、相手が悪かったわね♡


 カオス細胞核に結界を張り再生を防ぐ凛


 凛:再生スピードが思ったより速いのは流石に焦ったけどこれでもう大丈夫♪カオス細胞核を取り出して・・・


 取り出したカオス細胞核を専用の保管ケースに閉じ込める凛


 凛:後はカオス細胞核によって閉じ込められた人魂細胞核じんこんさいぼうかくを神聖細胞と魔源細胞の中心、つまりカオス細胞核のあった所に移植すれば2度とアレルギー反応もカオス細胞も発生しなくなるわ♪


『オペレーションルーム』


 オペレーターA:人魂細胞核の結合を確認!アレルギー反応急速低下!同時にアレルゲンの消失を確認!


 オペレーターB:手術は成功!これより空間バイパスを閉じます。


 空間バイパスが閉じる


 オペレーターC:空間バイパスの閉鎖を確認、オペフィールドを解除します!


 凛:ま、私にかかればこんなものね♪


 瑠空:ありがとうございます!


 凛:何言ってんの、院長先生が患者の両肩を掴み続けてくれたから成功したんだよ♪


 瑠空:さて、残る問題は・・・


 凛:このね。


 瑠空:こればかりは患者の意識が戻らないと無理ですね。


 凛:そうね。まぁ、私の見立てじゃあと15時間は目を覚さないし。病室に移して経過を見るしかないわね。


 瑠空:そうですね。


 手を出す凛


 凛:改めてよろしくね♪


 瑠空:はい!










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