第6話 東のボス

こんな森奥深くのはずなのに自然に開けた場所についた。

怪しく思ってじっと見てみると…


そこに居たのは全長2mを超える、とても大きな狼だった…。


「えっ、なんか大きな狼?がいるんだけど…。」


「そうだ。今日の目的はあいつだ。トウカもさっき、あの狼の肉を食ったろ?めっちゃ美味そうに食ってたじゃねーか」


えっまじ?私が食べたのあの狼の肉なの…?

てかジークは肉のためにわざわざここまで狩りに来てるの?

え…。


「まぁ、ちょっと距離はあるが、この辺のモンスターから取れる肉で一番美味いのはこいつだからな!がはははは!」


「まぁ見た目通りでかいから肉も大量に取れるんだ!だから1週間に1度でも来たら十分なんだが、今日は大量に売れちまってな!また来たって訳だ!がはははは!」


「えっ?また来たって今日二回目だったりするの?」


「そうだぞ!何か知らんが、こいつはこの辺りから動かないし、倒した後1時間後にはまた出現するんだ!」


ほぉー、じゃあこいつはボスみたいな扱いなのかな?

そしてリスポーンには1時間が必要と…。


とりあえず、ここから見えるし1回鑑定してみよう。

ここに来るまでに鑑定レベルも結構上がったから見えるものが増えたしね!


鑑定


種族 ダイアウルフ☆1

  Lv 20

 HP ??? MP ???


あれ、ステータスが見れないんだけど。

もしかして、レベルが足りない?

鑑定レベルの方かな?


まぁ、見られないんだから考えても仕方ないよね!


だけど、見るからに強そうだよね…。

牙とかおっきくて鋭いし、噛みつかれたら離してくれないような感じがする。

そして、あの太い手足。その辺の丸太ぐらいあるんじゃないかな。

そこ手足から生えている爪も長く鋭い。

その辺の木も軽く切り倒してしまいそうだ。

極めつけはあのしっぽだ。長くて太い、1mぐらいはある様に見える。


私とのレベル差が5もあるし、1人じゃ絶対勝てないだろうなぁ…。


「よし!それじゃあ行くか!」

「おっ?そんなに見つめてどうした。1人で戦いたいのか?」


フリフリフリフリフリフリフリフリ


私は思いっきり首を横に振る。


「いやいやいや、あんなの1人で戦うとか無理でしょ!!」


「がはははは!おっそうか!じゃあ仕方ないな!がはははは!」


ジークは笑いながらそう言って大きな狼に向かっていく。

私もそれについて行く。


ジークは大声で笑っていたが、狼は寝ているため気がついていないようだ。


「トウカ!とりあえず1発入れてみろ!」


そう言われたので、今持っているナイフを投げる。

これで武器が無くなったとしても、ジークが守ってくれるだろう。という安心感があるからこそできる事だ。


「おりゃー!!!」


そう叫んでナイフを投げた。


と思ったらまたもコケてしまい、上手く投げることが出来ずナイフは飛んで行ってしまった。


「あっ…。(///_///)」


恥ずかしくて赤面してしまうが、ナイフはまたも上手いこと飛んでいって狼の右眼に深く突き刺さった。


クリティカルヒット!3倍ダメージ

投擲術補正!1.2倍ダメージ

称号『一撃必殺』5倍ダメージ

称号『下克上』 1.1倍ダメージ

称号『生命の力』1.1倍ダメージ


これら4つの効果により、ダメージが跳ね上がる!

その合計はなんと、4521!!

レベル差5による威力減衰50%を含めて

ダメージは2261となった!



その瞬間、ダイアウルフはポリゴンとなって消えていった…。

すると目の前にリザルト画面が出てきた。


____________________


フィールドボス

ダイアウルフを初討伐しました。


初回討伐特典としてSPが10進呈されます。

以後、他のプレイヤーが倒された場合は5SPとなります。


初回ソロ討伐特典としてダイアウルフ装備一式が進呈されます。


装備内容

ダイアウルフの剣☆2 攻撃力+30 STR+5

ダイアウルフ兜☆2 防御力+10 AGI+2

ダイアウルフ軽鎧☆2 防御力+20 AGI+2

ダイアウルフ篭手☆2 防御力+10 AGI+2

ダイアウルフ腰☆2 防御力+10 AGI+2

ダイアウルフ靴☆2 防御力+10 AGI+2



取得アイテム

ダイアウルフの牙2つ

ダイアウルフの肉5つ

ダイアウルフの毛皮3つ

討伐の証1/2(アインス)




____________________


ワールドアナウンス


フィールドボス

ダイアウルフがプレイヤー名「トウカ」により初討伐されました。


____________________



ピロンっ

レベルが上がりました。


レベルが上がりました。


【投擲術】レベルが上がりました。


称号『ジャイアントキリング』を取得しました。

レベル差が上に5以上あるボス級モンスターをソロ討伐したものに贈られる称号。


『ジャイアントキリング』

レベル差による威力減衰を受けなくなる。




恥ずかしがっている内に色々起こってしまった。

そして、トウカはいつも通り相変わらずフリーズしている。


えっ、なに、何が起きたの?

私転んだよね?

転んだあとにジークが倒した?

あれ?結局何が起きたんだろ…。



「がはははは!トウカ!ビビっていた癖に中々やるじゃねーかよ!!」


「えっ?ジークが倒したんじゃないの?」


「は?何言ってんだトウカ!お前がナイフ投げて1発で倒してたじゃねーか!」

「まぁ、最初みたいに転んでたけどな!がはははは!」


まじ?私が倒したの?

そうしてログを見てみると…。

うん、なんかすごいダメージ出てたわ。


もう考えても仕方ないし、忘れよう。うん。

気楽にゲームした方が楽しいじゃん?


それと、なんか大量に装備ゲットしたし装備してみよ〜っと。


そうしてメニューから装備を変更する。

すると、あら不思議。私の周りが光、ポリゴンが散りばめられ、囲い出す。そして光が納まった頃には装備が変わっていた。


少し体や手足を見てみる。

おっ!思ってたよりかなり可愛いじゃん!


あの厳つい狼の装備みたいだし、めちゃくちゃ怖いかな?て思ってたけど、可愛くてよかった!


毛皮で作った鎧と言うよりも、毛皮のコートのような感じで、あの世界一大きな国の民族衣装のような感じの見た目だった。


それと武器も見て見よう。

武器はメインとサブとで2つ装備できるみたいだし、ダイアウルフの剣をメインにして、初心者のナイフをサブにしよう!


「え〜っと、ダイアウルフの剣は〜っとあった!」


装備してみると…

「おぉ!すごい!かっこいい!」


剣は短すぎず長すぎずでとても手に馴染む。


どうやらダイアウルフの牙で作られているらしく、先端に行くほど刃が薄くなっている。まるで刀のように見えるが、刀では無さそうだ。



なんか色々あったけど、可愛い装備手に入ったし満足だね!!


あと…レベルも上がったし、ステータス振るよ!

ポイントは勿論すべて運だね!!



____________________



名前 トウカ

 種族 天翼族☆1

  Lv 12

 HP 1380/1380 MP800/800

 STR 5 VIT 0

 INT 0 RES 0

 DEX 0 AGI 10

 LUC 290

 残りSP0


 ATK 681  DEF 780

 MATK 480 MDEF 480


加護

女神フォルトゥーナの加護

LUCの数値を2倍にする



スキル

固有スキル

【飛行Lv1】

【天撃Lv1】

【神聖魔法Lv1】


パッシブスキル

【幸運強化Lv6】

【投擲術Lv5】


アクティブスキル

【鑑定Lv6】

【召喚術Lv1】

【時空魔法Lv1】


装備

初心者のナイフ☆1 攻撃力+5

ダイアウルフの剣☆2 攻撃力+30 STR+5

ダイアウルフ兜☆2 防御力+10 AGI+2

ダイアウルフ軽鎧☆2 防御力+20 AGI+2

ダイアウルフ篭手☆2 防御力+10 AGI+2

ダイアウルフ腰☆2 防御力+10 AGI+2

ダイアウルフ靴☆2 防御力+10 AGI+2



称号

『友愛を築く者』

住人からの好感度が上がりやすくなる。


『一撃必殺』

最初の一撃のダメージが5倍になる。


『下克上』

格上の敵と戦う時、全ステータスに10%の補正が入る。


『生命の力』

HPが最大の時に与えるダメージ量が10%増加する。


『ジャイアントキリング』

レベル差による威力減衰を受けなくなる。



____________________




よし!これで良い感じに運が良くなりそうだね!!


そうだ、ジークは欲しかったもの手に入ったのかな?


「ねぇジーク!目的の物は取れたの?」


「ん?おぉ、ちゃんとパーティー組んでたからな、俺の方にも来たぞ!」


「そう?ならよかったよ。」


結構疲れたけど、また帰り道も戦って帰るのかな?


「それじゃあジーク、帰りましょう。」


「おう!それじゃあ行くぞ!」


そう言うと何やらブツブツ言い始める

言い終わったら一呼吸置いて


「リターンベース!」


ジークがそう言うと突然当たりが光に包まれる。


えっ、なにこれ、なにこれ

何が起きてんの?


そして光が落ち着くいて目を開く。

そこは私が最初にやってきた広場であった。


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