第5話 初パーティー
ようやく街の外に行ける!
そうワクワクしながら走り回る事5分。
トウカは未だに街を出られずにいた。
「あれ、ここさっきの屋台の所じゃん!」
トウカは再び戻ってきてしまったのである。
ちなみに、出口は反対方向だ。
「なんだ、嬢ちゃん肉食いに来たのか?」
「がははは、残念だが今日はもう売り切れちまったわ」
そう豪快に笑う強面のおっちゃん。
そして戻ってきてしまって恥ずかしそうにしてるトウカ。
トウカの身長145cm対するおっちゃんはムキムキの体型に2m超え。
傍から見たら犯罪の現場である。
「ところで嬢ちゃん、こんな所で何してるんだ?」
「ちょっと街の外に行こうと…。」
「それとおっちゃん!私には嬢ちゃんじゃなくてトウカ!って名前あるんだからね!」
「おぉ、そうか。俺もこの後行く予定だったんだが、一緒に行くか?」
「あと俺はおっちゃんねぇ!まだ27歳だ!!名前もジークって名前がある!」
はっ?( ゜д゜)
驚きすぎてこんな感じの顔になってしまった。
いや、どうみても40代にしか…。
「なんだその疑うような目は…」
「まぁいい。んで、一緒に街の外行くか?」
トウカは悩む。
うーん、一人で行くよりは心強いけど、うーん…。
よし!決めた!
「ごめなさい、知らない人に着いていっちゃ行けないってママに言われてるので。」
そしてジークは豪快笑い出す。
「ぷっ!わはははは。確かに!そうだよな。」
「まぁでも大丈夫だ。俺はこう見えても冒険者でな、結構ランクも高いんだよ。ほれ」
そう言われて冒険者カードを見せられる。
そこに書いてあったのは…。
名前:ジーク
ランク:S
まじ?
「トウカ、なんだったら一緒にギルドに確認に行ってもいいぞ。今も結構見られてるけどな。がはははは。」
私が驚いてるのを気にせず、ジークは豪快に笑っている。
「いっ、いや大丈夫です。ジークさん、一緒に外に行きましょう。」
そうトウカは言うとジークはちょっと不機嫌悪そうに言う。
「トウカ。同じ冒険者どうし気楽に行こうぜ!敬語もさんもなしていい!」
私は初めての世界で少し緊張していたし、仲良くなれそうな人に出会えて嬉しいな。現実と違ってやっぱり運がいいかも?
そう考えてとても嬉しそうに言う。
「うん!わかった!」
「それじゃあ、早速出発と言いたいがまずはパーティー登録をするぞ。ほれ。」
そう言われるとすぐ目の前に現れた。
____________________
ジークにパーティー招待されています。
参加しますか?
はい いいえ
____________________
おぉー!さすがゲーム!と思いいつ、はいを押す。
すると視界の左上辺りに自分のHP.MP.EXPのバーがあったが、それと同じでジークのものが現れた。
レベルも書いてあったが、そのレベルはなんと…。
90であった。
それに気づいたトウカはまたもフリーズしてしまう。
「はぇ?・・・・・・え?」
「なんだトウカ、そんなに驚いて。Sランクって言ったろ?Sランクならこんなもんだろ。」
「あ、あとついでにフレンド申請も送っとくからな」
____________________
ジークからフレンド申請が届いています。
承認しますか?
はい いいえ
____________________
とりあえず言われるがままに、はいを押す。
ピロン!
称号『友愛を築く者』を獲得しました。
『友愛を築く者』
初めて住人とフレンド交換しパーティーを組んだものに贈られる称号。
住人からの好感度が上がりやすくなる。
うん、なんか色々起きてるけどもういいよね?
そうしてトウカはフリーズしてしまう。
「おーい、おーい!!しっかりしろ!」
気がついたら目の前に筋肉ムキムキ2m越えの大男がいた。ジークである。
「はっ!」
「おっ、ようやく元に戻ったか!突然動かなくなったからビックリしたぞ!がはははは!」
とまぁジークは相変わらず元気だ。
ようやく落ち着きを取り戻したトウカ。
「よし!それじゃあ行くとするか!」
なんかもう、流れに身を任せちゃお…。
そう考えジークについて行くことにする。
「おー!」
歩く事数分・・・・・・・・・・・・
街の外に繋がる門に着いたようだ。
その頃にはトウカも落ち着きを取り戻し、やっと外に行けることにワクワクしている。
「よし!それじゃあ外に出るがいいか?」
「大丈夫!初めて外に出るから楽しみだよ!」
「そうか!まぁでもそんな楽しいもんでもないぞ?」
そうやって2人で話しながら門を出る。
雑談しながら2人は道から外れて森の方へ向かっていく。
そうして森の中を歩くこと少し・・・
目の前に野生のスライムが3匹現れた!
てってってってってーてーてーてれれー
と脳内に音楽が流れた気がするが気の所為だろう…。
私は現れたスライムに鑑定を使用する。
鑑定
種族:スライム
鑑定
種族:スライム
鑑定
種族:スライム
「いや、見ればわかるわ!」
「急にどうした?」
「スライムを鑑定したら種族:スライムって出ただけだった!」
「トウカ、それはただ鑑定レベルが低いだけだぞ。がはははは!」
そうやって少し小馬鹿にしたように笑われた。
「それじゃあやるか!」
とジークが言ったため私はナイフを構えて攻撃しようとする。
そう思ったらスライムはもうポリゴンとなって居なくなっていた。
ピロンっ
レベルが上がりました。
【鑑定】レベルが上がりました。
・・・・・・は?(´º∀º`)
「どうした?そんなとぼけた顔して。」
とジークは言う。
どうやら私が動く前にスライムを全て倒してしまったようだ。
「いやいやいや、早すぎでしょ!」
「んー、まぁスライム相手だしな。がはははは。」
「次はちゃんと私にもやらせてよ?」
「なんだ、戦いたかったのか!いいぞ!」
そんな事を話していると、運がいいのか目の前にゴブリンが1匹現れた。
鑑定
種族:ゴブリン
Lv7
「おっ、丁度1匹きたじゃねーか。」
「そうだね!じゃあ行くよー!」
そう言って私はナイフを持って突撃する。
しかし、すぐに躓いて転んでしまう。
「あっ、やば…。」
そう思ったが、なんと転んだ時に飛んで行ったナイフが丁度ゴブリンの頭に突き刺さったでは無いか。
そしてそのままゴブリンはポリゴンとなって消えていった…。
どうやら、種族補正値による攻撃力と投擲術の補正、クリティカルが重なったため1撃で倒せてしまったみたいだ。
ピロンっ
【投擲術】レベルが上がりました。
【幸運強化】レベルが上がりました。
称号『一撃必殺』を取得しました。
『一撃必殺』レベル差が5以上ある敵を一撃で倒すことで取得出来る称号。
最初の1撃のダメージが5倍になる。
「うん、うん、上手くいったね!作戦通り!!」
私は転んだ恥ずかしさを紛らわすためにそう強がる。
しかし、ジークはそんなことお構い無しと笑い出す。
「おい、トウカ!お前今転んだろ!がはははは!」
「ちょっと!笑わないでよ!!」
そうして笑いつつ2人は森の奥へと歩き出す。
道中にはスライムやゴブリン、ホーンラビット、果てにはウルフなども出てきたがほとんどジークが一撃で倒してしまう。
私もたまにナイフを投げて応戦する。
『一撃必殺』の効果もあるため、ほとんどの敵が一撃で倒せるが、たまに生き残った敵はジークがトドメを刺している。
そうしているうちに2時間が経った・・・・・・
途中、ゴブリンやスライム、ウルフが10匹ぐらい1度に出てくることがそれぞれ何回かあったが、全てジークがあっという間に倒してしまった。
最初のうちは大体がスライムとゴブリンばかりが出てきた。たまにホーンラビットも出てきたが偶にだ。
だんだん奥に進むにつれてウルフが出て来るようになった。
そして、ジークの目的地に着いた頃にはこうなっていた。
スライム58匹
ゴブリン134匹
ウルフ75匹
ホーンラビット15匹
合計282匹
うん、やりすぎだと思う。
そしてなぜか、称号も手に入ってしまった…。
称号『下克上』
100回連続、レベルが1以上高い敵を1撃で倒すことで入手出来る称号。
『下克上』
格上の敵と戦う時、全ステータスに10%の補正が入る。
称号『生命の力』
Lv10までダメージを受けなかったものに贈られる称号。
『生命の力』
HPが最大の時に与えるダメージ量が10%増加する。
私戦闘してないよ?
全部ジークが倒したのに…。
もしかして、住人ってシステム的にパーティー換算されてない?
なんか全部私が倒した事になってるし…。
まぁいいや
そのおかげで今日1日だけでレベルが10まで上がった。
手に入ったSPはもちろん全部運に振ったよ!
って事でこれが今のステータスです!!
____________________
名前 トウカ
種族 天翼族☆1
Lv 10
HP 1220/1220 MP700/700
STR 0 VIT 0
INT 0 RES 0
DEX 0 AGI 0
LUC 250
残りSP
ATK 425 DEF 400
MATK 400 MDEF 400
加護
女神フォルトゥーナの加護
LUCの数値を2倍にする
スキル
固有スキル
【飛行Lv1】
【天撃Lv1】
【神聖魔法Lv1】
パッシブスキル
【幸運強化Lv6】
【投擲術Lv4】
アクティブスキル
【鑑定Lv6】
【召喚術Lv1】
【時空魔法Lv1】
装備
初心者のナイフ☆1 攻撃力+5
称号
『友愛を築く者』
住人からの好感度が上がりやすくなる。
『一撃必殺』
最初の一撃のダメージが5倍になる。
『下克上』
格上の敵と戦う時、全ステータスに10%の補正が入る。
『生命の力』
HPが最大の時に与えるダメージ量が10%増加する。
____________________
凄い!まだ始めて1日なのにこんなにも称号が…!
他の人もこんな感じなのかな?
それにしても…かなり盛りの奥深くに来てる気がするんだけど、大丈夫かな?
「ねぇ!ジーク!こんなに奥まで来たけど、いつ戻るの?」
「ん?あぁ、もうすぐで目的の場所着くからそこでの用が済んだらな!」
そうして再び歩く事およそ5分・・・・・・
こんな森奥深くのはずなのに自然に開けた場所についた。
怪しく思ってじっと見てみると…
そこに居たのは全長2mを超える、とても大きな狼だった。
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