第3話 キャラメイク 後編
「それでは改めて種族の決定をしましょう。」
そうだ、これから私の運が試されるんだ。
どうかいい種族になれますように…
「種族はどれにするか決めましたか?」
もう決めている。
「はい!」
「それでは種族を選んでください」
この1回でこのゲームをどれだけ楽しめるか決まるんだ…。
もし変な種族になったとしても楽しもう。
「ランダムお願いします!!」
女神は心配そうに言う
「本当にランダムで大丈夫ですか?後から変えることは出来ませんよ。」
ちょっと悩みそうになるけどもう覚悟は決めたんだ。
「大丈夫です!」
そして私はランダムをタップする。
すると目の前になんとガチャが出てきた。
「ではそのガチャを回してください。」
覚悟を決めて回す。
するとキラキラとよく分からない演出が入った。
とても眩しくて声に出る。
「まぶしいっ!」
その時、女神はとても驚いた顔をしていた。
光が収まった時、その場所には黒い玉が落ちていた。
私はそれを手に取ってみる。
パンパカパーン!突然ファンファーレが鳴り響く。
すると、その玉は爆発し中から何かが飛び出てきた。
なんだろうと見ると、それは文字だった。
種族:天翼族☆1
「ん?天翼族?」
「おめでとう!その種族は大当たりだよ。ステータスを確認してみて。」
と女神が言ったので確認してみる。
____________________
名前 トウカ
種族 天翼族☆1
Lv 1
HP 500/500 MP250/250
STR 0 VIT 0
INT 0 RES 0
DEX 0 AGI 0
LUC 40
残りSP0
ATK 40 DEF 40
MATK 40 MDEF 40
加護
女神フォルトゥーナの加護
LUCの数値を2倍にする
____________________
なんとHPとMPに、能力値がさっきの5倍になっていた。
種族の説明を見てみるとそこには…。
天翼族
天翼族または天使とも呼ばれている。地上では神の使いとして崇められる事が多い。ここ数百年、地上に降りる事は無かったが、現存する天翼族は10人に満たない。しかし、無限に等しい寿命を持っている為滅びることは無い。
凄さのあまり脳がフリーズしてしまう
「なんだ、これ…。」
そこで女神が
「改めておめでとう。これから種族について詳しく説明します。」
「まずは種族の横についている星についてですが、これは☆1〜☆5まで5段階ある種族のランクを表しています。」
あれ?当たりって言われたの☆1つの種族なんだけど…。
「トウカ様は疑問に思ったかもしれませんが、天翼族は☆1と言ってもヒューマン等の種族に比べて数段階強いです。具体的には言えませんが他種族の☆2より強いと思ってください。」
なるほどなるほど…お?
んー?
あまりの事に考えることを辞めてしまったトウカ。
・・・・・・・・・5分後
ようやく落ち着いたトウカ
今はチュートリアル中だとふと気づきあたりを見渡す。
すると、やはりと言うべきだろうか…
女神はまたどこから持ってきたのか分からないがカップ麺を食べていた。
……へ?
そして女神もこちらに気づいた。
「ごめんなさい、ちょっと話し疲れちゃって…。」
「今食べ始めたところだから少し待っててね?」
と言った。
そして大人しく待つこと数分…
ようやく食べ終わり戻ってきたようだ。
「お待たせしました。」
「それでは続きを始めましょうか。」
ここでツッコミも入れないで大人しく待っているトウカと女神はどっちも似たような者なのかもしれない…。
「それでは、次はスキルを選んでもらいます。これは、チュートリアルの時限定で、幅広いスキルの中から5つ選んで取得することができます。選んでもらうと言っても選べるスキルは5つまでで、必要なポイントも150と限られています。」
「このポイントというのも今この場でしか使えなく、レベルアップの恩恵でポイントを得ることもありません。そして、世界に降りた時からスキルの取得は自分で行動し、その行動によって新しいスキルを手にいれるか、特殊な条件を満たした時や、ギルドでクエストを受けてクリアし、その報酬として貰ったスキルの書を使った時にしか得られません。」
なるほど、つまりスキルは本来その行動をとることでしか得られないのか…。
今この場で得られるのは特別って事なんだね。
「それではスキルを選んでください。」
そう言われて、私は手元の画面を見る。
とても膨大な量のスキルがあった。
「えっ、ちょっと多すぎない?」
無意識のうちに口に出してそう言った。
こんなに大量にあると迷っちゃうなぁ…。
「うーん、どうしよう。」
5分ほど迷っていた。
すると女神から助言を貰えた。
「トウカ様は運に極振りしているので、運に関連するものをとりあえず選んでみたらどうでしょうか?」
なるほど…運に極振りだし…それしかないよね?
「わかりました!」
そして考えること数分・・・・・・
「選びました!!」
そのスキルとは…。
【幸運強化】10P
【鑑定】20P
【投擲術】10P
【召喚術】30P
【時空魔法】80P
うん、運に関連するもの1つしか無い…だよね?
言わなくてもいいよ。うん…。
だって色々気になったんだもん!
でもちゃんと1つは入れたんだよ!!
【幸運強化】パッシブスキル
運の数値が増える。
レベル上昇によって上昇量が変動する。
【鑑定】アクティブスキル
見たものの情報を詳しく得られる。
レベル上昇よって情報量が増える。
【投擲術】パッシブスキル
投擲の技術が上がり、威力上昇、命中補正がかかる。
レベル上昇によって威力、補正値が上がる。
【召喚術】アクティブスキル
生物を召喚し、使役することが出来る。
レベル上昇によって強い生物が召喚されたり強化される。
【時空魔法】アクティブスキル
時間と空間を操ることが出来る魔法。
レベル上昇によって使える魔法が増え、威力がより強力になる。
選んだスキルはこんな感じかな。
と私はうんうんしている。
すると、女神が話し始めた。
「トウカ様、先程も話しましたが種族によって固有スキルがあります。天翼族のスキルについて、ステータスをご覧ください。」
と言われたので確認してみる。
____________________
名前 トウカ
種族 天翼族☆1
Lv 1
HP 500/500 MP250/250
STR 0 VIT 0
INT 0 RES 0
DEX 0 AGI 0
LUC 60
残りSP0
ATK 40 DEF 40
MATK 40 MDEF 40
加護
女神フォルトゥーナの加護
LUCの数値を2倍にする
スキル
固有スキル
【飛行Lv1】
【天撃Lv1】
【神聖魔法Lv1】
パッシブスキル
【幸運強化Lv1】
【投擲術Lv1】
アクティブスキル
【鑑定Lv1】
【召喚術Lv1】
【時空魔法Lv1】
____________________
……ん?なんか増えてる。
詳しく見てみると…
【飛行】
翼を持つ種族のみ使える固有魔法。
空を飛ぶことが出来る。
レベル上昇によって滞空時間が増え、クールタイムが減る。
(レベル1の時は連続して10分飛行でき、クールタイムが10分必要。)
【天撃】
天翼族のみが扱える固有魔法。
自身の全魔力を用い、空気中に存在する魔力を集めて行う魔法。
その力は極めると天地をひっくり返し壊滅的な被害を与えると言われている。
練度によってレベルは上がらず、進化の時にのみ上昇する。
【神聖魔法】
神に仕える者が使える固有魔法。
その力は凄まじい治癒能力を持ち、極めた者は死者をも蘇らせると言われている。
レベル上昇によって、効果が高まり使える魔法が増える。
なんかもう、色々すごくて声が出てしまう。
「…うわぁ……。」
ところが女神は気にせず
「さぁ、次の説明に参ります。」
「これが最後のチュートリアルで、世界に降りた時に使用する武器を選んでもらいます。この世界にステータスでいう職業は存在しません。自らが鍛えた技術、スキルを使用して生きています。」
「それでは武器を選んでください。」
と言われた時、私の周りを多数の武器が囲いゆっくりと円を描くように回っている。
あれ?武器を使うスキル持ってなくね?
そう私は思った。
「どうしよう、うーん…スキルを活かせる武器は〜」
あっ、投擲術があるし投げられるものがいいね!
「て事で短めの投げられそうな武器はどこかなぁ〜」
ここにあるものだと…ナイフぐらいかなぁ…。
「よし決めた!ナイフにしよう!」
初心者のナイフ☆1
攻撃力+5
耐久値∞
「では、そちらの武器で決定でよろしいですか?」
「はい!」
これでようやく私の冒険が始まる…!
チュートリアルなはずなのに、なんかめちゃくちゃ長かったなぁ…。
「それでは最後にこの世界の注意事項です。」
げっ、まだあるのか…
この気持ちが顔に出ていたのか女神は苦笑いしている。
「もうすぐなので、そんな嫌そうな顔しないで下さい。」
「それでは注意事項ですが、この世界では自分の体力が0になると自動的に最後に寝た街に飛ばされます。蘇生魔法やエリくサー等は存在しますが、死んでから30秒経つと自動的に街に飛ばされます。また死亡時のペナルティとして、1時間の間ステータスが半分になります。なお、住民に関しては死亡後3日の間でしたら蘇生可能ですが、それを過ぎてしまうと永久的に復活しません。」
意外と死亡時のペナルティは軽いかな?今までのゲームだとアイテムロストとか経験値減少とか普通にあったし…。本当にペナルティ軽くてよかったよ!
「そして、この世界にはPK、所謂プレイヤーキラーと言われる者が存在しています。なぜ存在しているのか、それはプレイヤーを殺すことによって得られる経験値がモンスターを狩るより多く、効率よく稼げてしまうからです。」
「人によってはプレイヤーのみを狙うプレイヤーにもなります。そういったプレイヤーはマーカーが赤に表示されます。そして、通常のプレイヤーは青のマーカーになっており、住人のマーカーは緑であり我々運営は黒となっております。以上の事を注意してこの世界を楽しんでください。」
それってある意味モンスターより怖い存在だよね…。じゃあマーカーが赤になっている人を見かけたら逃げた方がいいかも?怖いなぁ…。
でもこれでチュートリアルは終わりだし怖がっても仕方ない。楽しまないとね!
「女神様!色々ありがとうございました!」
「いえいえ、こちらこそ楽しかったですよ。」
「それでは!行ってらっしゃいませ。良い旅を…」
その言葉に胸が躍る。
待ちに待ったこの世界。
まだ見ぬ世界へ、早く、早く、ワクワクが止まらない。
「行ってきます!」
私はそう答えた。
その瞬間、視界が光で覆われ何も見えなくなった。
そして、次の瞬間には待ちに待った世界が私を待っていた。
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