戦闘開始

スロウト荒野、オリュンポス帝国の東側に広がる荒野


そこに騎士団員が隊列を組んで並んでいるその500mぐらい後ろに俺たちが待機している


「クーティの予知によるとあいつらはどこに配置しても騎士団の上に現れる、それならばわざと俺から遠いところに配置しあいつらが現れた瞬間俺の魔法のヘビィで重量を増やして下に落とす」


「そして落ちた所を騎士団で倒す。そして全ての装備に秋斗さんが斬撃耐性を上げる魔法をかけたので肉弾戦では負けません」


「そして魔法攻撃も対策済み、完璧じゃないか!」


「ええ流石秋斗さんです」


「いやクーティの予知能力がなかったらここまで対策することはできなかった。ありがとう」


後ろに下がっているクーティの手を握って感謝した


「い、いえそんな感謝されることでは・・・そ、それよりも秋斗さんそろそろ予知で見た時間です」


「おっとそうだった。さてやるぞー」


俺は正面に向き直り騎士団の上空に目を凝らす、すると騎士団の上空10mほどの空間にヒビが出来ている。


それなりに離れた距離だけど神様の加護のおかげで視力が向上した眼なら見える。


来たかと俺は手のひらに魔力を集め集中する。


作戦で重要なのは最初だ。


この一撃が成功しないとこの後の行動が出来なくなってしまう。


集中しろ、集中するんだ


相手がこちらに来たタイミングと同時に魔法を放ち相手の出鼻をくじく


そしてそのまま倒す


ついにヒビが広がり空間が割れ中から5人の人影が出てきた


ここだ!!


「鳥よ、地に堕ちよ『ヘビィ』」


俺は収束した魔法を放った。


『グラビティ』でもいいんだけどそれだと下にいる騎士団のみんなも魔法の範囲に入ってしまうからね。


俺の放った魔法は5人を見事に捉え地面に落ちていった。


「・・・ふう」


よし俺の仕事は終わり


そう思った直後轟音と共に騎士団の方から稲光が走り稲妻が騎士団の間を駆け巡っているのが見えた


「無駄なことを」


騎士団の鎧は魔法耐性の高い希少金属のオリハルコンをふんだんに使った鎧


あの程度の電流かすり傷にもならない


最後のあがきにしては上出来だが無駄なことだったな。


そう思った直後


「秋斗!!」


その切羽詰まった声に反応して振り向くとクーティが倒れており俺の目の前に向かっている刃が見えた


「な?!」


俺はその刃をギリギリで回避し距離を取った。


「やはり不意打ちでは無理か」


さっきまで俺のいた所に立っていたのは女性だった。

腰のコートのような上着をベルトで締めてその間に二本の刀を持ちその内の一本を抜いておりこちらを見ている。


長く黒い髪は腰あたりで切られており服装は明暗の別れた二色の服を着ておりコートは青色で、ジーンズみたいなズボンをはいている。


「何者だ!!」


俺は愛銃の『ポルックス』と『カストル』を引き抜きクーティの方に目を向けた。


「大丈夫だ、気を失っているだけだ」


一人がクーティの容態を教えてくれた


ホッとしつつ


「クーティを連れて安全なところに避難してくれ」


そう言った


「了解」


と言いクーティを連れて離れていった


「さて・・・」


俺はもう一度相手を見た


周りでは嫁さんたちが、相手をゆっくりと奴を囲い始めている。


「何者か・・・名乗るつもりはない、これから死ぬ相手に名乗るほど酔狂ではない」


「そうかよ!!」


と俺はポルックスの銃口を向け照準を定めたが引き金を引くよりも相手が早く右に低く跳んだ。


逃がすものかと銃口を向け引き金を引こうとしたが、奴の向こうに嫁さんが見えて撃てなかった。


もし相手が回避してしまったら弾が嫁さんに当たってしまいそうだ、そう思い引き金が引けなかった。


相手がその隙を逃さずに距離を詰めようとするが


「秋斗に近づくな!!」


と囲んでいた嫁さんの剣で切りかかり、それに反応した奴が後ろに小さくバックステップをして回避した。


「光よ、敵を貫け『シャイニングランス』」


そこを見逃さず真後ろに回っていた3人の嫁さんが魔法と弓を放ち、奴に目掛けて光の槍と弓矢が一直線に飛ぶが、奴は着地と同時にさらに後ろへ高くジャンプし魔法と弓矢を難なく飛び越して回避してしまい、逆に攻撃する為に前に出てしまった嫁さんに攻撃が向かってしまった。


幸いに攻撃は紙一重で当たらなかったが、その隙を逃さずに奴はもう一つの刀を抜刀し、動揺して動きが止まってしまっている嫁さんに身を低くして接近して攻撃を仕掛け近づこうとしたが


「そうはさせない!!」


俺はカストルの照準を奴の足元に向け発砲し、牽制して奴を離した。


「大丈夫か?」

「大丈夫、ありがとう秋斗」


俺の嫁さんたちが再び攻撃を始めたので、奴は嫁さん達の攻撃を回避するのに集中して容易には近づけられていないのだが、先ほどの攻撃で同士討ちがトラウマになってしまったようで3人が魔法と弓矢を使用して攻撃に参加できていなので、俺を入れて6人が攻撃に参加している。


しかも相手の立ち回りもうまく同士討ちを誘うような動きをしており攻撃をしづらい状況になっているが、嫁さんたちがお互いのミスをカバーするように連携して動いているので、致命的な失敗はしていないが攻めきれずにいて若干こちらが不利である。


しかし奴も嫁さんの連携と数を前に決め手に欠けており、お互いに有効打にかけている状態になっている。


今のうちに打開策を考えなければ

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