別れ道

オレガ

それぞれの道

「ふう・・・・。」


全身が脱力したような感じ。

こんな気持ちは生まれて初めてだ。

喜怒哀楽のどれにも属さないこの感情。


体は涙を流している。


でも、気持ちは明日へ踏み出そうと切り替えつつある。

不思議な感覚。


お風呂で改めて考えようとするけど、何も頭に思い浮かばないし何も感じない。

君と電話していた時はいつもすらすら自分の気持ちが出ていたのに。

世界は自分の意思とは反対に今日も時間が過ぎていく。


そんなに焦らなくてもいいから、たまには休憩でもしたりしないかな。


ドライヤーで髪を乾かすのもいつもみたいに急ぐわけでもなく、ゆっくり乾かしている自分に少し苛立つ。


変わりたくはない。

でも、変わらなければいけない。

何も考えられないけど、これだけは頭も体も勝手に行動している。


僕は完璧でも尊敬されるような人間じゃない。

僕なんかよりも君の方がもっと・・・。


数分で人はこんなに気持ちが変わるとは思わなかった。

ドラマだけの世界だけだと思っていた。


いっぱい、いっぱい約束したことも、全てが消え去った。

今までのことが全て無駄だったかのように、残ったのは記憶と物。


今はどうすればいいか分からない。

ドラマのように時間が解決してくれるのかは分からない。


決めるのはもう僕しかいない。


どちらかが悪いわけでもないのに別れるとこんな気持ちになると初めて知った。

これから生きる上で、僕にとって一番知りたくはなかった経験になるだろう。


この経験をして一つ分かったことがある。

それは、どれだけ時間が経っても僕は君のことを忘れることはないし、今のこの気持ちと過去に感じたこの気持ちはこれからも忘れることはないだろう。


人からどんなことを思われてもいい、僕はただまた君にいつか出会いたい。

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別れ道 オレガ @saus

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