1話

ジリリリリリリリリ、とけたたましくなる目覚ましの音で私 –– 長谷川はせがわ那月なつき–– は目を覚ました。

少しだけ開いたカーテンの隙間から春の日が差し込んでいる。


「ふぁああ……」


欠伸をしながらベッドから這い出る。

今日は高校の入学式だった。

壁にかかっていた真新しい制服に着替え、一階のリビングへと降りる。

もう朝食は出来ていた。


「あら、制服似合うわね」

「でしょ?」

「でも、髪ボサボサよ?」


お母さんに言われ、慌てて鏡を見に行く。

言われた通り、たくさんの寝癖が付いていた。


「うう……癖っ毛だから直んないよぉ……」


涙目になりながらも、なんとか髪を纏めてリビングに戻った。


「あ、お姉ちゃんおはよ」

「おはよう」


妹の皐月さつきだ。

私と皐月は双子で、昔から仲が良い。

違うところは……私が癖っ毛なのに対し、皐月がサラサラのストレートなことぐらいだ。


「早く食べて行くよ?遅れるのだけは嫌だからね」


皐月の言葉に、はいはい、と頷きつつ、席につく。

手を合わせ、急いで食べだした。

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キミノカワリ。 月影 蒼 @Ame_

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