第4話 娘の上京

バイトを頑張った沙矢加が高校が終わると

東京へ行くと言い出す。

止めることも出来ず「元気で…」それが

精一杯だったかな。


1人で不安だろうに…自分で決めたことだし

元気で過ごしてくれればいいやと見送った

その夜の寂しさや 何もしてあげられない悔しさもあり涙が溢れ出した。


迷わず働こうと決めた菜々子。他でもない

1人で上京した沙矢加に手料理の1つでもと

いう普通の母心だったに違いない。

同時に菜々子のひとり暮らしが幕を開けた。


まるでサラリーマンのような生活が続く…

朝起きて仕事へ向かい 帰宅しては クタクタになって寝てしまう そんな毎日は いつになったら 楽になるんだろうと思わせる瞬間であり 気持ちだけが疲れていった。


月日は流れ 入院の時期がやってくる…

風邪すら引かない菜々子は 病気をすると

大きかった 腸閉塞の手術による傷跡は消えることのない大きな傷となっていた なにより心の傷と比べれば大したことはないと

思えるのが菜々子の強みであり 次へのスタートへの意気込みでもあった。


そして 1年に1度の娘の帰省が やってきた…



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