第2話 娘へ言った言葉

娘が小学一年生の時 長靴を埋められ泣いて

ドロドロの靴下で帰ってきた 「泣かなくても大丈夫だよ あなたは皆んなに愛されて生まれてきたんだから もっと堂々と生きなさい」娘の名は沙矢加(さやか)心を鬼にして言ったわけではなく 強く生きて欲しかった。


育て方として 父親のいない子にしてしまった私は 一生をかけても償っていかなければいけなかった [そっちは危ないから行っちゃダメ!]ではなく[そっちは危ないから気をつけて行ってきなさい]と。


娘は 毎日 「ママ…お兄ちゃんが欲しい」

と言うようになり 明らかに愛情不足だなと感じた 私は沙矢加が大きくなったら読めるようにと詩を綴りだし…小学3年生の時 見つかってしまった。


私が泣いていると「ママ泣かないで」とティッシュを持ってきてくれる。

そんな沙矢加は私に背を向け泣いていた…

私の詩を読んでいたのだ。


当時4年間 私菜々子と付き合っていた人は

自分の子供のように沙矢加を可愛がってくれた。


しかし私には 沙矢加を産んだ時 病気で子供が出来なくなっていた[卵巣機能不全]若いだけに結婚は諦めていたのも当然で 彼とも

それが原因で別れてしまった。


沙矢加は優しく強く育っていったが 私が夜勤に入ると 寂しかったんだろうな…

そこで 現れたのが菜々子の母!娘を連れて行ってしまった。


娘にさえ会えなくなってしまった菜々子。

「こんなに頑張ってるのに やってやんねーよ!」と酒を浴びる。人間が腐っていく瞬間を味わった。


一生 抱えなければいけない病気に…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る