ひとりぼっちでいいわけないじゃない!

夏色 菜々子

第1話 菜々子は生まれたが(自伝説)

とある小さな町で生まれた菜々子は新生児にして両親が離婚 祖母に預けられ両親は消えた いつも ひとりぼっちだった。

ママ…と たまに声を漏らすが 誰もいない

そんな日々を送り 小学生へ入学 祖母が全て

支度してくれたが 菜々子が求めるものとは

少し違っていた。


そして 知らぬ男性と現れた母という人…

弟が生まれ…やはり乳児を放置して飲み歩く母。 菜々子の理想がガラガラと音を立てて崩れていった。


弟が可愛くて仕方ない 寂しさを埋めてくれたのは小さな命 ヤキモチも妬みも何も持たずに育った菜々子は 弟と共に生きた。


そんな幸せの一瞬(ひととき)も束の間…

突如 母は弟を抱き上げ 消えてしまった

振り返っても そこには誰もいなかった時の

孤独感は大人になっても消えることのない

一瞬になっていた。


15年間 育ててくれた祖母から離れ県外へと

旅立つ菜々子。小学生時代は 髪の毛を引きずられ 押し入れに閉じ込められ 痛いというのは頭皮でもなく そんな菜々子の心だったに違いない。


県外で工場勤務しながら高校へ通い卒業。

念願の結婚 出産 幸せな家庭を築いたはずだったのに 幸せは続かなかった。ー離婚ー


2歳の我が子を背負い 地元へ帰る 私も母と同じ人生を歩くのかと…

中部地方から降りた土地は吹雪だった 友達の家を転々とし アパートを探し 保育園を探し 仕事を探し 時折 背中の我が子に「ママ何処かに座ってもいい?」と人生に何度 幕を下ろそうとしたことか…


私は この子と生きていくんだ そう思わせたのは当時の娘をみてくれた保育園の園長先生

「お母さん!頑張ろう?」ありがとうしかなかった。


仕事も掛け持ちしながら 走って雪道を走り

保育園へ娘を迎えに行く いつも玄関で長靴を履いて菜々子を待つ娘…


ごめんね 寂しいよねと心が痛い。

夜の公園へ娘を連れて遊ばせる そんな日々

写真を写すのは私 娘との写真は持っていない 写してくれる人も居なかった。


これが現実なんだ!若さのお陰で勢いは あったが きっと寂しさを埋められるものなんて娘の寝顔に謝る日が続いたため なかったのかもしれない。


そして娘が小学校へ入学!娘の自慢のママになったことは 頑張って生きて良かったじゃん!そう思わせた。


そこから始まる 菜々子の一生…

娘に言った言葉…


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