俺は訓練初めようと思う
次の日、俺は早速魔法の構築が書かれている
本や付与魔法の本を読んだ。
俺の魔法は一人では練習ができないので
ひたすら部屋に閉じ籠り、覚えている。
俺が過去に戻っているということは
あいつらも生きているということだろう。
俺のせいで二度とあんなことにならないように
俺はひたすら覚えるのであった。
☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇
そして俺が勉強し始めてちょうど一月が
たったところであった。
「ノイル、お前明後日どうすんの」
「明後日?」
「あんた、覚えていないのかい。
都市の方でやる魔法大会にでるんだろう?」
そういえば、この時期に何を血迷ったのか
自分の実力を知ろうとして大会に
出ようとしたのだった。
「どの年代が出るんだ?」
「10から20代まで限定だったかな。
この世代の実力を調べるんだって」
「そうか」
この一ヶ月毎日何時間も勉強していたので代々
の魔法の構築図と付与魔法も覚えた。
10から20代ならばそんなに難しい魔法は
使えないだろう。
それに黒の眼の性質も分かってきた。
直接的な魔法は一切駄目だが、付与魔法は
使えるらしい。
だが、結局相手の魔法がなければいけないので
そこまで考えることではない。
今度こそ実力を確かめるとしよう。
「明後日は、普通に出る」
「そうかい。じゃあ馬車を呼ばなきゃね」
「ああ」
俺達が住んでいる東地区から中心の大都市に
行くのに馬車でも二時間近くもかかる。
ここら辺は田舎だから仕方ないのだが。
さて、明後日のために復習でもするとしよう。
「じゃあ、復習でもしてくるよ」
「はいはい。頑張りなね」
「…………ああ」
「?」
もう負けない。
明後日の大会に向けて改めて決意を固めた。
☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇
「相変わらずでかいな」
俺は馬車に二時間ほど乗り、都市の方に来た。
どうやら、大会の参加者は多いらしい。
いろいろな店が宣伝している。
魔法学校でやると言っていたな。
俺は魔法学校に向かった
☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇
「広いな」
俺は学校に迷いながらも到着した。
この学校のグラウンドを使って大会を開く
らしいが人がとにかく多い。
グラウンドには、参加者だけでなく、その親族や知り合いなどが来ている。
フォードに聞いたが、ここで優秀な成績を出せばこの学校にスカウトされる事があるらしい。
普通に筆記や魔法試験でも入れるようだが
外部生として年齢関係なしに入れるらしい。
学費も免除になる人もいるらしいので余計に
やる気を出させているのかもしれない。
別に学校に入るために来たわけではないので
ほどほどに負けるとしよう。
『参加者は集まってください』
そろそろ始まるようだ。
変に目立たないようにしよう。
☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇
「なあ、あの眼の色ってなに?」
「さあ?初めて見た」
俺は根本的に間違っていた。
長い間フォード以外と関わっていなかったので
忘れていた。
俺の黒の眼を見た人達は、周りの人達と
こそこそ話をしている。
そりゃそうだろう。
俺でも見たことのない色の眼をもっている奴が
いればそういう反応をするだろう。
明らかに対応を変えることがあれば、こちらも
考えなければいけないが、出来れば穏便に
過ごしたいのでそれは最終手段としよう。
「トーナメント表を貼ったので見てください」
トーナメント表が貼られたらしい。
まぁ、俺の順番がくれば呼ばれるだろう。
気長に待つとしよう。
☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇
「ノイル選手~出番ですよ~」
呼ばれたな。
行くとしようか。
「どちらかが降参、または戦闘不能で
終了です」
戦いはシンプルだな。俺の相手は俺より二つ三つ年上っぽいな。翆の眼か。
風か回復系統だが、この大会に出ているという
ことは風っぽいな。
「よーい。スタート!」
「いくぜ~!風の刃(ウィンドブレード)!」
やっぱりな。初級レベルの魔法だ。
「反・風の刃」
俺の魔法は奴が放った魔法を意図も容易く破壊し顔の横を通っていった。
「ひい!」
そりゃ怖がるのも頷ける。
俺は風の刃に付与魔法で魔法効果を底上げしていた。それに当たったときのために回復の
付与も着けておいた。奴は腰を抜かしもう
戦える様子ではない。
「せ、戦闘不能でノイル選手の勝利!」
こんな程度か。優勝も狙えなくはないかもしれないな。まあ、もう使い方を試せたから
負けてもいいんだが出たからには勝ちたい。
そして俺は余裕で決勝まで上がっていった。
☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇☆◇
「さぁ~!決勝戦です!
決勝は今回初出場のブラックホール
ノイル選手か、凄腕魔術師ショート選手か~
それではよーいスタート!」
俺の相手はショートと言うのか。
年は19、20くらいか。緋の眼を持っている
と言うことは、火の系統を使うものだな。
それに、こいつはなかなか強い。
溢れでる魔力とセンスがあるな。
しっかり鍛えれば良いところまで
行けるかもしれない。
だが、相手が強ければ俺の魔法も強くなる
ということだ。
「いくぞ。火の玉(ファイアーボール)」
まずいな、付与魔法で増殖を付けている。
このまま返してしまえば倍の量の火の玉が
出てしまう。少し面倒くさいがやるしかない。
「反・火の玉」
「なっ!」
一応打ち消しを覚えていてよかったな。
この付与魔法『打ち消し』は上手く構築すれば
相手の魔法を消すことが出来るが一つ一つの
魔法によって構築図が違うため覚えるのに大変
時間がかかる。
俺もまだ各属性一つ二つしか覚えていない。
ちょうど火の玉が来て良かった。
「ぐぁぁぁぁ!」
俺の出したが直接当たったらしい。
付与魔法に『打ち消し』しか付けなかったので威力を下げていなかった。
これくらいで、やられるならそれまでだろう。
「おお~っと!勝負が決まったか~!」
「はぁ、はぁ…」
「まだ立っているぞ~!」
仕留めきれなかったか。だかもうほとんど
ギリギリだな。立つだけで精一杯そうだ。
「はぁ…!一気に終わらせる獄炎龍!」
おいおいこいつはここの全員を殺す気か。
奴の出した『獄炎龍』は個人の魔力の量に
よって威力が変わる。ショートの魔力の量は
他の奴らより桁が違う。やれやれ。少し本気
を出すか。
「反・獄炎龍」
俺の出した獄炎龍とショートが出した獄炎龍が
激しくぶつかる。
代々同じくらいの威力だろうか。どちらも
大きい音を立て消えていく。
何度も言うが、俺の魔法は威力が倍以上になってしまう。あのまま魔法を出していたらここの
全員死んでいただろう。だから、あえて威力を
下げた。
付与魔法に『防御』そしてその防御に
『効果アップ』、ショートはダメージを受けて
いたので『回復』『自然治癒』『効果アップ』
を付与しておいた。こういう時に効果アップは
便利だな。威力を同じにし、尚且つ回復もして
やった。感謝してほしいくらいだ。
「勝負が決まった~!ショート選手の
魔力が失くなったので」
「ノイル選手の勝利で~~す!!」
会場が沸いて歓声が上がる。
最終目標の優勝が出来たので一先ず安心だ。
昔よりは、一人で戦うことが出来るように
なったかもしれない。
だが、まだ色々な構築図を覚えなければ
いけないし、付与魔法も覚えなければ。
俺は一歩一歩きたる再戦に向けて
準備を進めていくのだった。
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