第10話 こらー! ちゃんと宿題はやりなさーい!

 前回のあらすじ


 宿題やらずに寝落ちしちまった。


 本編


 まあ、たまには宿題忘れても大丈夫だろ、


 そんなことを思いながら僕は自転車で学校に向かった。


 しいたけは電車通学なので、宿題忘れても電車ですればなんとかなるー。とか言っているが、僕のような自転車通学の人はそんなもの無縁だ。


 約1時間、分にすると60分、秒にすると3600秒、マイクロ秒は···········めんどくさいしいいや、まあそれくらいの時間で僕は学校に到着した。


 校門に立っている、生徒会と有志に挨拶をし、自転車置場に自転車を置く。


 そこで自転車通学仲間の中森くんと会った。

 ちなみに中森くんにあだ名は付いていない。

 中森くんは、中森くんだ。

 とりあえず挨拶くらいはしとくか。


「おっす中森!」


「おー、おはよう鳩サブレー、最近新しい部活に入ったんだってな」


「まあな、ハハ」


 おい、僕が部活に入った情報どこから知ったんだよ。

 少し疑問に思いつつ、僕は下駄箱で上靴に履き替え、1年B組の教室へと向かった。


 教室のドアに入ると、ぺちゃくちゃとお喋りをしている人たちやジョギバトで遊んでいる人たちなどがいた。

 ちなみに僕の定規は普通の15センチ定規。

 これくらいが筆箱にも入るし、使いやすいのだ。


 それはそうと、そんな中、一人カキカキとペンを動かしているものがいた。


 そう、しいたけだ。


 僕はしいたけの方へと駆け寄る。


「おはよう、しいたけ」


「おはよう鳩サブレー、僕は絶賛宿題中だ」


 そうか、しいたけ。

 だがそれは一人じゃない!


「しいたけ、僕もだ!」


 すると、しいたけは一気に笑顔になり、


「おー、仲間じゃねえか。一緒に先生に怒られようぜ」


 いや、それは駄目でしょ、と言いたいところだがそれも悪くない。


 

「一緒に先生に怒られようぜじゃないでしょ、しいたけ」


 突如僕たち意外の声が聞こえる。


 この声はやはり、


「さあやるやる! 鳩サブレーも早くやりなさい!」


 おっといけねえ、僕はすぐさま宿題を持ってきてしいたけの隣に座る。

 ちなみにしいたけの隣の人は部活の朝練に行ってるので問題無い。


 そして今怒ってきた彼女だが、彼女は芝宮姫流之しばみやひるの、学年2位の特待生だ。背は僕より少し小さく、ツインテールが特徴だ。

 偉い人は眼鏡をかけているというイメージがあるが、彼女は眼鏡をかけていない。


 そんな彼女だが、知り合ったのは入学当初にしいたけがたまたま席の隣であり、それから仲良くなり、席替えしても度々彼女と話すことがあった。


 ちなみに学年1位は先程出てきた中森くんだ。


 中森くんまじパネェっす······。


 それからというもの、姫流乃のおかげで宿題が終わり、少し安心した。


「ふー、これで今日1日は何とかなるな」


 しいたけが額の汗を拭くような動作をしながら言った。


「宿題終わってほっとしたわ」


 こうして1時間目、2時間目、3時間目、4時間目、5時間目と過ぎ、6時間目、


「よし、英語の宿題集めるぞ」


 先生がそう言い、みんな、後ろから徐々に集めていく。


 僕も机から英語のノートを取り出そうと思ったのだが、


 あれ? ない。


 僕はもう一度机の中やバッグの中を探すが、


 ない。


 僕の心は一気にどん底へと突き落とされた。


 もしかして朝、英語のノートを机の上に置いたまま学校に行ったのでは?


 僕はやっちまった〜と思いつつ、正直に先生に言いに行った。


「すいません」


「何だ? 黒井」


「宿題を、忘れました」


 あー、やべぇ、怒られるー。


「そうか、次は忘れないようにな」


 あれ? 怒ってない。

 意外と先生の反応は優しかった。

 僕はてっきり1時間ほどの説教があると思っていたがそうでも無かったようだ。


 僕は清々しく、机へと戻り、英語の授業を受けた。

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