第8話 帰宅部ってマジで分かんねえ

 前回のあらすじ


 不良に絡まれた僕とアルト先輩はほぼアルト先輩の力で不良をねじ伏せた。


 本編


「よし、着いたぞしいたけ」


「おー、おぇ!」


 上をみると煙突からもくもくと煙が出ており、ものすごく嫌な匂いがした。

 まあ焼却場だからしょうがないか。


「先輩こんなところで何を?」


「着いてきたら分かるさ」


 少し何が分かるのか気になりつつ、僕は先輩に着いていった。

 やがて焼却場の中へと入り、中央管理室というところに着いた。

 何やらゴミピットの様子などを確認しているようだった。


「すいませんー」


 先輩が中央管理室のガラスをコンコンと叩く。

 その音に従業員が気づくなり、久しぶり見たいな顔をして中央管理室から出て来た。


「お疲れ様です」


 先輩が礼をする。

 僕も先輩に合わせて礼をする。


「お疲れ、今日も例のものを持って帰るんだよね?いっぱいあるから好きなように取ってよ」


 そう言い従業員は中央管理室のドアを開けた。

 僕と先輩は中に入り、例のものを持って帰ろうと、その居場所を案内してもらった。


「この引き出しに沢山入ってるよ」


 そう案内して貰った引き出しを開けると、中には大量のアレが入っていた。

 それを見た僕は思わず、え?と呟いてしまった。

 しかし先輩はそれを平然と抜き取り、持っていくやつと持っていかないやつとで分けていた。


「これって、あ、あれですよね?」


「そうだよ、エロ本だよ」


 つまりこれが先輩の言っていた帰宅部の活動。

 この学校の帰宅部は、帰宅部じゃなくて、エロ本部だ!


 先輩はある程度持っていくエロ本を整理した後、そのエロ本たちをかばんに入れてすぐに中央管理室から出ていった。


 従業員は、また、いっぱい溜めときますね、と言って手を振った。


 そして僕と先輩は焼却場から出ていった。


 _______________________________


 先輩と僕は、またいつもの河川敷の道を歩いていた。

 すると先輩は急にくねっと道を曲がり、学校の方とは違う方向に歩いていった。


「先輩、学校はあっちの道では?」


「いいから着いてこい、」


 そう言われたので、先輩の後ろを僕は着いていった。

 そして5分くらい歩いたところに、1つの一軒家が建っていた。

 それはとても和な作りで屋根が瓦で木造建築のおんぼろ屋敷だった。


「入るぞ」


 先輩はそれだけ言って、ドアの鍵を開け、中に入っていった。


 僕はここに入るの? と何で合鍵持ってんの? と驚きつつ中に入っていった。


 中は意外と綺麗で、玄関から真っ直ぐ廊下が続いており、廊下を抜けるとリビング的な一番大きい部屋があった。

 廊下の横にもちょこちょこ部屋はあったが、先輩はそれをスルーして、真っ先に一番大きい部屋へと行った。


 中に入ると周りは色んなガラクタで散らかっていた。

 それにどれも見た事がないものだ。


「先輩、これって」


「ここは朧のおじいさんの家だ」


「おじいさん?」


「そして朧のおじいさんはギリシャで有名な発明家だった」


「発明家!凄いじゃないですか」


「そしてここにあるガラクタたちはほとんどがこの世界で出回ってないもの、要するにドラえもんのような秘密道具がたくさんあるということだ」


 えっ?それって普通にやばくね?


「え、じゃあ先輩はここで何を?」


「ちょっとな、ある道具を取りに来たんだ」


 そして、先輩はガサガサと探し、ライトのようなものを抜き取った。


「それは?」


「帰ってからのお楽しみだ」


 先輩がライトを鞄に入れた後、僕たちは朧のおじいさんの家を出た。

 出たころにはすっかり空はオレンジ色にへと染まっていた。


「じゃあ帰るか」


「はい!」


「「我らの部活、帰宅部へ!」」

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