第7話 ファイナルエッチブック

 ※読むにあたって

 今回のお話は結構アレな要素が含まれているよ。


 前回のあらすじ


 エロ本が残り一冊になったよ


 本編


「すいませーん」


 最後の客が来た


「鳩、最後はお前がやれ」


 先輩がエロ本の方を親指で指しながら言った。

 一瞬、鳩って誰?と思ったがここに居るのは僕と先輩だけだから僕のことだよなと思いつつ言う。


「まあいいですけど、なにさらっとあだ名訳しちゃってるんです?」


「いいだろ、鳩サブレーってなんか呼びにくいし、」


「それもそうですね」


 まあ鳩嫌いじゃないからいいや、そう思った鳩サブレであった。(ナレーター風)


 それはそうと客の接客だ、小学校6年間ずっと劇で木の役を務めてきた僕が接客能力をつけているはずもなく。若干キョドりながらも、


「注文は?」


 僕がのれんにむかって言った。


「どれでもいい····です」


 客の注文は先ほどの注文の多い客とは違い注文の少ない客だった。

 てか注文の多い少ないだの言ってたら宮沢賢治を思い出してしまった。


それよりも、のれんの向こう側にいる客の声が妙に高いのは気のせいか?

 僕はここでひとつの仮説を立てた。


 もしかしてのれんの向こう側は、女!?



 僕は机に置いてある一冊の本をパッと取り、のれんから客へと手渡す。

 お金を受け取ったときの手の感触は小さかった。


そのとき、まあまあ強い風が吹いた。

のれんはフワッと上がり、彼女の顔が見え、そして彼女と目があった。

その髪はショートカットで、若干茶色だった。

背は僕と、同じ高さくらいだ。

その後彼女は恥ずかしそうに去っていった。


 しかし僕はどうしても気になった、なぜこんなアレな本をみんなはわざわざ買いに来るのか?



 僕はちょっとアレなことをするときはスマホで「〇〇エロ」ってどこかのサイトを開きうねうね動く動画を見るほうが興奮するのだが、そこまでみんなは静止画にこだわるのか?


「部長、なぜエロ本を買う人がこんなにもいるのですか?インターネットでビデオ見た方がよっぽどいいんだと思うのですが·····」


 すると部長はフッと笑い、まるでその言葉を待ってましたという顔をした。


「鳩、この学校のみんながスマホという最新機器を持っていると思うか?」


「確かに、クラスで1、2人は持ってないと思いますね」


「じゃあその子たちが君と同じようにスマホでビデオ調べて見てはあはあすることは可能か?」


「不可能ですね」


 はっ!そういう事か、いやでもパソコンを使えばどうにかは、でもスマホのほうが小さくてお手軽だ。もしお母さんが来てもなんとかごまかせる。

 じゃあここでエロ本を買う理由はズバリ


「「スマホを持ってなくてインターネットを使うことが出来ないからだ」」


 確かにエロ本なら枕の下とかに隠せば何とかやり過ごせる。


「もしくは、スマホの制限かけられてるとかそんな感じだ」


あー、そういう場合もあるのか。


「鳩、お前もよく分かってきたじゃねえか」


「はい、部長」


「この活動は学校中をエロで満たすものではなく、学校中の生徒がみんな平等にエロを堪能出来るようにするための活動だ」


「帰宅部は凄いですね」


「そうだな、それよりもお前がそこまで性欲全開ということの方が驚いたがな」


「いやそれは、ついやってしまったことで」


 何か今こうやって冷静になってみると、僕の言ってたことめっちゃ恥ずいじゃねえか。

 やべぇビデオとかエロ本とかいっぱい言っちゃたよ、学校なのに、しかも部長の前で!?


 この出来事は脳内黒歴史帳にびっちりと記入された。


「たーだいま!」


 その声と同士に部室のドアが開いた。

 そこにはアルト先輩としいたけがいた。


「アルト、お目当てのものは持ってきたな?」


「あーもちろんだぜ」


 アルト先輩が持ってきたのは大量のエロ本と某アニメの道具とそっくりなライトだった。

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