第21話寝起きの事件
更新遅くなってしまいすいません。
急ぎで間に合わせたんですが、納得のいかないものなので投稿後に内容変更などしたりするかもです。
把握お願いします。
それではお楽しみください。
――――――――――――――――――――
窮屈さを感じて俺は目を開ける。
いつもと違う壁。
いつもと違うベッド。
俺はそれを理解して、涼音の部屋にいることを思い出す。
その当人は俺の膝の上でまだスヤスヤと寝ている。
足を伸ばしているから痺れてはいないけど、壁が硬くて、もう一度眠りにつける気がしない。
でも、涼音の顔を見ていると、そんなことはどうでもよくなってくる。
そして、スヤスヤと眠る涼音の頭を撫でた。
サラサラした髪の毛はしっかりと手入れをしていることが伝わってくる。
撫でている俺が気持ちよくなってくる程だ。
よくよく考えると男の前で寝るって結構だな......
涼音の胆力に呆れと関心を示す。
クッションを背中と壁の間に入れると、硬さが少しだけ和らいで、眠りに着くことが出来た。
◇◆◇
朝になったのを感じて目を覚ますと、頭には枕ではないごつっとした感触がする。
あっ、私、司のももの上で寝ちゃったんだ。
悪いことしたなぁ......
司の方を見るとぐっすりとは言えないまでも、眠りには着いていた。
「ありがとう」
眠っている司の頭をを撫でて、身体をベッドに倒させた。
司の頭の下にあるのは私の太もも。
申し訳ない気持ちが私をこうさせる。
あと、単純に私が司にしてあげたいから。
司の髪、男の人とは思えないほどサラサラしてるなぁ。
私は司の頭を髪の毛に沿って撫でていく。
毎日この寝顔が見れたらなぁ......
だんだんと自分の司に対する恋慕が大きくなっていることを感じる。
酷く大きくなってしまったそれは、もう戻ったりすることはないだろう。
どこかあどけない、司の顔を見ながら自分の気持ちを再確認した。
恥ずかしくても、やるしかないんだ......
そして、一人のライバルの顔を思い浮かべる。
――花音ちゃん。絶対負けないからね!!
すると司の閉じていた目に少しだけ力が加わってシワが増えた。
それはだんだんと無くなっていって、やがて目が開かれた。
「おはよ、司」
「びっくりしたぁ......おはよ涼音」
寝起きの彼の目はあまりぱっちりとは開いてなくて、まだどこか眠そうだ。
「ねえ、司。今どこにいるか分かってるの?」
「涼音の太ももの上」
「じゃあなんでそんなに落ち着いてるのよ」
少しだけ納得いかなかった。
普通異性に膝枕されてたら嬉しいでしょ!?
「眠いから」
「間違いない」
理解するのに秒もかからなかった。
眠い頭で全く司は意識出来てないのか。
なら......
「ふぅ〜」
「うおっ。く、くすぐったい」
「もうちょっとシャキッとしないと襲うわよ」
「襲うってなんだよ......どうぞ襲ってくれ」
「分かったよ」
私は彼のほっぺに顔を近ずけて、そして距離をゼロにした。
「えっ?す、涼音?」
「ふふっ、襲っちゃった」
そう言うと司は寝ぼけ眼を目いっぱいに開き、顔を真っ赤に染めた。
「早く起きてきてね?」
私は司を残して部屋を出る。
そして、階段を降りて洗面台の前まで来て気づく。
私の顔が真っ赤になってしまっていることに。
◇◆◇
涼音にキスされた......
その事態によって俺の眠気はぶっ飛び、身体の全身が暑くなるような感触を覚えている。
涼音に弄ばれっぱなしだ......
誰もいなくなった涼音の部屋で一人悶える。
涼音って俺の事......
そう考えると、自分の気持ちが分かんなくなってくる。
涼音の事を好きだと錯覚してしまっている自分がいる気がする。
それが恋愛的な面なのか、友達的なものなのか俺には区別がつかない。
思い返して見ればそんな場面は沢山あった。
この夏休みは一緒に勉強して、海にいって、こんな状況だけどお泊まりだってした。
二人で......
考えてみれば全然有り得る話だ。
でも、今はキスや、昨日したハグの感触をどんどん思い出してしまっていっているようで、それどころじゃないしまともに考えれる気がしない。
とりあえず下にいこう......
そして、洗面所の扉を空けると涼音がいる。
鏡越しの涼音と目が合ってしまって、その視線をずらす。
視線を合わせるのってこんなに大変だったっけ?
俺たちはそれぞれ羞恥心でなかなか話すことが出来なかった。
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