2章〜夢の終焉
プロローグ〜冷酷姫の決意
俺は聞いたことのある『
夢の事も珍しく鮮明に覚えていて、赤い髪をした少女の事だろうかと考えていた。
俺の知ってる中で赤っぽい髪色なのは涼音だけだ。
だけど白希那という苗字との関係性が掴めなさすぎる。
考えれば考える程分からなくなって、俺は思考することを放棄した。
昨日の晩御飯を食べていないから腹の虫が
隣でまだすやすやと寝ている花音の目元は少しだけ紅く腫れていて、そして守れて良かったなと思った。
時間はもう七時になっていて、よく寝れたなぁと思いながら花音を起こす。
「花音、起きろ」
「ん、うん。おはよぉ〜おなかへったぁ〜」
寝起きなのに意識ははっきりとしているようで花音はすぐに立ち上がった。
「司くん、なんか作って」
「はいはい、分かったよ」
いつの間にか、この変な関係に疑問を抱いていない自分がいて、少しだけ驚きを感じていた。
最初は初めてばかりで、何かある度に心の中で騒いでいたのに、今ではなんのざわつきもない落ち着いた気持ちだった。
すると、その気持ちに魔を差すようにお腹から音が鳴った。
ひとつ大きなため息をついて、キッチンへ向かい料理を始めた。
◇◆◇
「も〜お腹いっぱいっ!」
「花音、食べ過ぎ。まだ朝だよ?」
「昨日の夜食べてないからいいのっ!」
駄々をこねる子供のような態度で答えてくる。
「ねぇ、司くん」
少しだけ声のトーンを落として真面目そうな雰囲気が流れ始める。
「ん?なんだ?」
俺も少しだけ気を引き締めて、言葉を待つ。
「好き、です......私と、付き合ってくれないかな?......」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます