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焚き火の音がする。

あたたかい。

僕には意識があった。

足の痛みは少し収まっていた。

「目が、覚めたかい?」

「ねえ、さん?」

僕が旅立つ15年前に聴いた事のあるおぼろげなその声は姉さんの声だった。

「まったく、姉弟そろってここに飛ばされるなんてね。元気にしていたかい?」

「あぁ、あの川に、入るまでは、ね」

「そりゃそうだろうね。安静にしておきな、数週間もすればじきに治る」

「ありがとう」

十数年ぶりに交わした最初の会話はこれだけで安堵と共に僕は微睡に落ちた。

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