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少しの間、その場で茫然としていた。
しかし、硝子の激流は変わらず脚を踏み入れた者の皮膚を切り刻むつもりなのだった。
だから、歩を進めるしか僕に選択肢はないのだ。
やめてしまったらここまで積み上げてきた旅路に意味を見出せ無くなってしまうだろうから僕は右脚を硝子の川へ差し出した。
硝子を踏み締める音と共に痛みが駆け巡る。
裂かれる。
そうして、次は左脚を差し出す。
これで両足に痛みが駆け巡るのだ。
切り、裂かれる。
「ゔぅう...」
あとどれくらいで着くのだろう。
部族の地図ではこの上流に
僕が進んだ後には血で赤く染められた跡が出来た。
川の流れに僕は逆らって行く。
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