九話 虚–hollow−(ホロウ)

衣を纏いウルに指示を出して空を飛び夕焼けに染まる森を眺める。


当たり前の様に空を飛んでいるが、優れた機動力があり迷う事なく目的地に向かえるというのは非常に便利だ。


短い時間で最大限の成果を上げられる喜びは分かる人には分かる筈だ。


「ウル!今日は肉を食うぞ。張り切って香草を探そう!」


「肉、美味しい。ウルも頑張る!」


ソートの家にはある程度捌かれた獣の肉が保管してあった。


どうやらその肉は魔獣の肉らしく味はそれ程悪くないが臭いがキツいので香草を使って肉の臭みを抑える香草焼きに挑戦しようと思う。


家にあったカラフルな調味料の説明を一つ一つ聞き、ソートに手渡された臭い消しの香草を粉末にした物を肉の端切れに塗し、手でよく擦り込んで焼くと泥と血生臭さが入り混じっていた肉の臭みが見事に消え去っていた。


ウルにも食べさせてみるとかなり気に入っていたようだ。俺も久々に肉が食べられるという事でテンションが上がっている。


しかし残り僅かしか残っておらず料理に使うには量が足りない。


他の調味料での代用は難しい為、その調味料を調達できる場所をソートに教わり現地に向かっていた。


匂い消しの香草は南西に向かい進んだ先にある険しい崖の岩壁に生えているらしい。


過去に読んだ物語の一つに病を治す貴重な薬草が危険な崖に生えているなんて話を読んだ事がある。


淡い期待ではあるが色々な草が生えていれば可能な限り全て採取してみよう。


ソートが言うには近くの崖に生えていると言っていたが、簡単な手書きの地図を元に指差した場所は目測でも結構な距離がある様に感じていた。


実際にそれは当たっていた様で徒歩で向かえば数時間と掛かるほどの距離があっただろう。それもあくまで重力の影響で移動速度が上がっている俺達だった場合ではあるが。


元いた世界であれば休まずに歩いても数日はかかる距離だ。


林の群生地帯を越えて暫くすると目的の崖が見えてくる。


「青と水色の葉が生えている草か…ウル、見つかったか?」


「これ、違う?」


「これだ!ソートの持っていた草と同じ物だ。他の場所も探してみよう。」


「彼処にもあるよ。ウルが見つけた!」


「良くやった。この調子でもっと集めよう。」


目当ての香草は一房の採取量が少ない上に密集して生えている訳ではないため、かなり広範囲を飛び回って探す必要があった。


崖に沿って飛びながら様々な草を集めつつ匂い消しの薬草を溜め込んだ袋の容量が半分程度満たされたところでウルに帰還するよう指示を出した。


その頃には既に夕日が沈み始め紅焼けた空と夜空が混ざり合い紫に変わるグラデーションが美しい空へと刻々と変化していく。


辺りが次第に暗くなっていく中で前方から何かが崩れ落ちる音が聞こえてきた。


ウルに指示を出して速度を落として警戒を強める。


音の先を岩陰に身を潜めて確認すると横転した馬車を呆然と眺めるフードを被った人物が佇んでいる。


「其処にいるのは何方かな?」


心臓の鼓動が跳ね上がる。


目や音で確認できる距離ではない。身体を乗り出さなければ見えない程の死角に隠れていた筈だ。


最初は他の何かに向けられた言葉だと思ったが周囲に其れらしき気配はない。


恐る恐る覗き込むとその人物は既に此方に視線を向けていた。


「悪辣なる虚に穢れた此の地での遭逢は恐怖と絶望を孕んでいる。その警戒も頷けよう。」


ウルに身を潜めて待つよう指示を出した後、身を乗り出して単身でその人物に歩み寄る。


目の前の老人は汚れたロープに身を包み深々とフードを被っていた。


赤黒い褐色の肌に深く刻まれた年輪の様な皺、口周りに生え伸びる白く荒んだ髭が熟練の旅人とも世捨て人とも取れる重々しい風格を漂わせている。


「こんなところでどうしたんですか?何かトラブルでも?」


「見ての通りさ。」


視線を逸らす事無く手に持つ木の杖で後方を指す。


そこには大きく傾いたキャンピングカー程の大きさの豪華な牛車と傍らで膝を地につける二頭の牛の様な生き物がいた。


「見事に車輪が窪みに嵌っていますね。」


「道中不幸にも道が崩れてな。重量に耐えきれず一部が崩落したのだろう。」


「このままだと崖に落ちてしまいますよ。もうすぐ日も暮れます。良ければ手を貸しましょうか?」


「仮初の善意と身の無い感謝は後に云われない諍いを己に齎す禍害だ。意志なき善性を振るうは愚かの極よ。しかし今はその甘言に甘える事にしよう。」


どうにも気が進まない返しではあるが言葉を交わした以上、何もせずに去るのは気が引ける。


今の俺なら一人でこの牛車を押し出す位は余裕だろう。何なら馬車を持ち上げる事だって容易にできる筈だ。


兎にも角にも早々に事を済ませてこの場を立ち去ろう。


もがく様に立ち上がろうと暴れる厚い毛皮を持つ牛を手慣れた様子で宥める老人を他所目に豪華な装飾が施された牛車を後ろか持ち上げながら押し出す。


牛車を浮かせながら車輪を窪みから引き上げて安全な場所まで移動させた。


牛車の後方には大きな木箱を積み上げた積荷の上に布が被せられている。


手前の木箱は蓋がズレており髪の毛の様な…


編み込まれた金髪の毛の束が箱の隙間に挟まっている。嫌な予感を感じながら徐に箱の中を覗こうと布を掴もうとした。


「無用な詮索は時に身を滅ぼす事になる。手を貸すのなら此方の積荷を運ぶと良い。」


振り返ると牛の手綱を引いていた筈の老人が音も無く背後に立ち、嘲るような笑みを零して肩を掴んでいた。


「あっ…ああ。失礼しました。」


伸ばした手を引っ込めて老人の方に振り向く。


「あの荷物も貴方の物ですか?」


牛車が傾いた際に溢れ落ちたのか布袋が周囲に散乱している。


崩れた崖から下を覗くと幾つかの荷物は窪みに嵌った際に崖下に落ちてしまった様だ。


遥か下で中身が飛散した布袋が幾つか見える。


「ああ。それはその箱の上に置いてくれ。」


ズレたままの蓋の上に無造作に積み重ねて程なくして作業は終了した。


「さて、窮地に手を差し出した者に対しては返礼が必要だ。此れは餞別として受け取るが良い。」


老人は懐から林檎のように赤く丸い玉を取り出し投げ渡した。


「これは?」


「其れは叡知の宝玉と呼ばれる代物。その中でもある一国の言語を蒐集した石塊。言葉も解らぬままでは語りも拍子が抜ける。良く役立てるがいい。」


「こんな高価そうな物を貰っていいんですか?」


「其れは所詮使い捨て。要らぬなら其処らに放れば良い。使うなら其れを額に当ててみよ。それだけで知識が流れ込む。」


よく考えてみればどうしてこの老人と俺は会話が出来ている?この世界の言語などまるで解らないし其れは向こうも同じ筈だ。


「貴方は俺の言葉が分かるんですね。」


「言ったであろう。無用な詮索は身を滅ぼすとな。しかし敢えて答えるならば我が愉悦故にとだけ答えよう。」


老人の言葉が真実であれば今の俺にとってこれ程便利なものは中々ない。


そんな代物がこんなにもすんなりと手に入るなど都合が良すぎて何かしらの悪意を感じる。


しかし俺はこの世界の事をまだ良く知らない。この玉も便利ではあるがそれ程貴重な代物ではない可能性だってある。


ただし今この場で試してみる事は躊躇われた。


「有り難く受け取っておきます。」


「ならば行くがよい。既に日落ちた。霧の晴れたこの森は悪辣な魔獣供の絶好の狩日だ。舌を啜る卑しい音が聞こえる前に早々に帰るべき地に戻るがいい。」


「貴方は大丈夫なんですか?」


「心配は無用だ。」


一礼してウルに向けて飛び立つよう手振りで指示を出す。そのまま空中でウルと合流してその場を立ち去った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


闇の訪れを告げる冷たい夜風が辺りを駆け抜ける。


「些か早計ではあったが語りを進めるには致し方なかろう。神外が紡ぐ奇劇の役者にしては些か以上に器の小さい神成ではあるが其れもまた一興であろう。」


老人が指を鳴らすと馬車の荷台から衝撃と共に木箱の蓋ごと布袋が飛び散り、身形が良く長い金髪を編み込み束ねた男と鎧を着た屈強な二人の男達が音を立てて雪崩の様に荷台から崩れ落ちる。


「既に事は達せられた。運良く転がっていた道具も其れなりには役立ったが今や無用の我楽多だ。」


「ふっふざけるな!いきなり現れていきなりあんな狭い木箱に押し込めやがて!俺様を誰だと思っている!?ケイオス帝国三代貴族フィン家の十六代次期当主候補ルヴべっ!?」


「喧騒は時に不快しか与えぬ。有触れた傲慢しか持たぬ下らん器は既に見飽きている。が、興を削ぐ振舞は頂けない。せめて我が愉悦の糧となれた事を誇りながら逝くが良い。」


「ゔぁばせっ!やっやべろ!?やぺっ…」


静寂が辺りを包む。


乾いた黒い指先から鮮血の滴が滴り落ちる。


「さぁ舞台の幕開けだ。」


血溜まりに重なる暗い影が闇夜に塗れて消えていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


既に日は沈み辺りは夜に包まれている。


宝石を散りばめた様に美しく煌く星空を背にウルの手を握りながら闇夜の空を飛んでいく。


「気分が悪いのか?」


「何か…気持ち悪い…」


握った手が小さく震えている。口を覆い隠すウルの背中を摩りながら森に降りる様に指示を出す。


「少し休んだ方が良さそうだ。一旦森に降りよう。」


森の中の開けた場所に着陸してウルを木に寄りかからせて休ませる。額を手に当てたが熱が出ている様子はない。


あの老人と会ってから具合が悪くなっていた様だ。


「ありがとう…もう大丈夫。」


「大丈夫じゃない。飛んでいる途中で墜落なんかしたら大惨事だ。此処からは徒歩で行くからゆっくり休んでいろ。」


背中を向けてウルにおぶさる様促す。ウルは項垂れながらいそいそとおぶさり背中に顔を埋めた。


「よし。しっかり捕まってくれよ。ソートも待っているだろうから少し本気を出して走ってみる。」


体を屈め足を踏みしめて一気に駆け出す。


地面が音を立てて大きく陥没し大量の土煙が舞い上がり、土煙を突っ切って体が樹々を軽々と超えて跳躍した。


「うぉぉぉぉぉぉぉっ!?」


空中で滞空する中無理矢理に態勢を整えて勢いよく地面に着地した。


その勢いに任せて再び跳躍し森の中をイルカが水面を泳ぎ跳ねる様に駆け回る。


「ははっ!はっはっはっ!これは楽しいっ!楽しいぞっ!」


着地する度に地面を陥没させ大きな音を立てて突き進んでいった。まるで自分が巨人にでもなったかの様な感覚だ。


調子に乗って躊躇無く進んでいた所為か森の獣達が方々から甲高い鳴き声を上げ、周囲には地鳴りの様な蠢く音が響き渡る。


「いい手だと思ったが想像以上に森を騒がせてしまっているようだな。仕方がないとはいえ、ある程度近付いた所で速度を落として移動する必要があるな。」


ソートの家の周りで獣や魔獣を刺激する事は避けなければ。要らぬ争いや危険は極力回避すべきだろう。


!?


暫く地面を割り木々を踏み倒しながら先を進んでいくと突如前方に土煙が巻き起こり、崩落と共に足元から巨大な壁が飛び出した。


柱とも塔とも思える巨大なそれは樹々を薙ぎ払い、大きく畝りながら周囲の地形を尽く崩壊させながら空に向かい直立する様に生え伸びていく。


目の前に立ちはだかった壁に勢い余ったまま激突し、反射的に突き出した両手足で衝撃受け止めた。


その力を受け流しながらそのまま壁を足場にして跳ね返る様にその場を離脱し地面に着地する。


そのあまりにも巨大な異形を息を飲んで見上げる。


「なんだアレは…ミミズ…か?」


先端には円を描くように並ぶ鋭い牙が不規則に蠢き汚泥の様な灰黒色の液体を撒き散らしている。


赤土にも似た赤黒い岩肌の様な外殻に覆われ全身から軋む様な金切音を立ててゆっくりと畝り回っている。


その大きさは石柱というにはあまりにも大きく京都の五重塔やピサの斜塔の様な巨大な塔が地の底から湧き出てきたかと錯覚するほどであった。


辺りを押し潰さんとばかりに高々と見下ろしている。


其れは次第に柱が折れる様に地面に倒れ込み、辺り一帯の地形を蹂躙しながらゆっくりと移動していく。


巨大な異形はただ移動するだけで行く道の地形を悉く崩壊させ底深い峡谷へと周辺を変えていった。


「なっなんだ、この音…」


光の届かない峡谷の底からは何かが無数に蠢く様な摩擦音と金切音が入り混じった内臓を掻き毟るような不響音が響いている。


更に驚く事に遥か先の森からも次々と同じ異形が森から生え伸びるように現れ、巨大な石柱の監獄を成す様に周囲を取り囲んでいく。


空に向かって伸びた異形達の体は同様に森に倒れ込み、やがて森全体が地割れと崩落の渦に飲み込まれていった。


「此処は…危ない…」


危険を察知したウルが俺の手を取り驚異的な速度で空に向かって飛び立った。


木々を抜けて空に飛び出したが未だ眼前には異形の体が横に並ぶ。


「かなりデカイな。前の世界で見た水晶の柱と同じくらい巨大だな。」


それ程迄に巨大な異形の外殻から悲鳴のような甲高い金切音が突如鳴り響いた。


同時に外殻から無数の裂け目が出現し不気味に亀裂が開くと亀裂の中から緑碧玉の禍々しい瞳が這い出してきた。


光を吸い込む様な漆黒の瞳孔が一斉に二人に向けられ、夥しく並んだ瞳の瞳孔から歪な触手が突き出し舐めずるように蠢いた。


「うるっ!今すぐ離れろ!触手がくるぞ!」


その言葉を皮切りに一斉に触手が二人に向かって襲い掛かる。


ウルの手を掴んで羽織っていた衣を片手で目の前に広げる。


考えを察したのか俺の手を強く握り異形から距離を取るように斜め上空に加速した。


襲い掛かる触手は異形の鈍重な動きと相反して鞭を打つ様な速度で動き回る。


更に厄介なのは触手から撒き散らされる泥のような体液は触れた木々や岩を蒸発させる様に溶かしていた。


アレを直接浴びるのはかなり危険だ。


「ウル!あの液は物を溶かすみたいだ!当たるとマズイぞっ!」


「わかった。任せて。」


迫り来る触手と飛び散る体液を衣で祓うように薙ぎ払ってその場を切り抜けていく。


幸い衣はかなり頑丈な様で体液に触れても溶ける様子は無い。


衣を振り回す度に衝撃波の様な風圧が広範囲に広がり触手を次々と引きちぎっていった。


バラバラになった触手が無惨に地面に散らばり落ちていく。


動きが速いと言っても前の世界で襲い掛かってきた針程に速くはなく先回りされる様な事は無さそうだ。


しかし縦横無尽に伸び回る触手は複雑に入り組み立体的な蜘蛛の巣の様に周囲に張り巡らされている。


泥の体液が触手を伝って滴り落ちているため一度あの中に絡め取られれば恐らく逃げ場はないだろう。


程なくして射程範囲を超えたのか襲い掛かっていた触手は動きを止めて異形の周囲で蠢いている。


「なんとか逃げ延びられた様だ。」


蠢く触手からウルの方に視線を向けるとウルも同様に触手を眺めていた。


「ちょっと…危なかった…」


「具合が悪いのに良くやってくれた。無理はしていないか?」


「大丈夫。さっきよりも…大丈夫。」


余りにも突然な出来事があった直後ではあったが心なしかウルの表情に余裕が生まれている様だ。


驚きが気付けにでもなったのか蒼白していた頬が仄かな紅みが染まっている。


ウルのはにかみ笑うその表情と逃げ延びられた安堵でホッと一息つく。


!!?


その表情で緊張が僅かに緩んだ瞬間、無数の牙が螺旋状に張り巡らされている大穴が死角となったウルの後方下の森から打ちあがるロケットの様に此方に向かって襲いかかってくる。


「キエテッ!!」


振り返り様にウルの手から青白い光が放たれ、振り下ろす様に襲い掛かる大穴に向けて手を振り下ろした。


今にも二人を飲み込まんとしていた異形の大口の左半分が空間が削り取られる様に目の前で消え去っていき、残りの胴体が真横を電車の様に横切っていく。


ウルは片手頭に当ててフラつき、二人は横切っていく異形の風圧に吹き飛ばされ崩壊した峡谷に落下していった。



「くっ!ウル!しっかりしろっ!」


繋いだ手を手繰り寄せ、空中で蹲るウルを片手で抱える様に抱き抱えて残った利き手で落下する峡谷の岩壁に爪を立てる様に手を掛ける。


しかし落下は止まらず掴んだ岩が砂の様に崩れ去り砂埃を上げる。


「グゥッ!くそっ!掴めっ!掴めっ!掴っ!?ぐあっ!」


爪が剥がれる様な痛みに襲われる中、何度も岩の出っ張りを掴もうとするが、落下の速度が速く手が弾かれた。


「グゥッ!これで…どうだっ!」


杭を岩に突き刺す様に腕を岩壁にめり込ませてようやく落下を免れた。肩まで深く岩に突き刺していた為、肌着の右肩が岩壁との摩擦でボロボロに破れ去っていた。


「ゴホッ!ゴホッ!怪我はないか!?」


ウルがふらつき壁に手を突きながらもコクリと頭を頷かせた。どうやら怪我はしていないようだ。


ふと自身の右手に目が向いた。


摩擦で皮膚が焼き爛れているにも関わらず痛みを殆ど感じない。


それどころか焼き爛れた皮膚からは無数のか細い光の糸が腕の周りを立ち上らせて瞬く間に傷が消えて無くなっていく。


ウルが何か不思議な力を使っているのかと視線を向けたが俯いたまま膝を折って岩に寄りかかっている。此方に何かをしている余裕は無い様に見える。


やがてか細い光が収まると腕は何事もなかったかの様に傷一つ無く完治していた。破けた右肩の肌着だけが跡として残っていた。


「何だったんだ今のは…」


傷一つ無い右手を動かすが特に異変はない様だ。


その手でウルの腕を肩にかけて岩肌を足場に峡谷を駆け上がっていく。


巨大な異形に気付かれぬよう音を立てずにその場から離脱していった。

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