第3話 修行の始まり
「ティアマト
『ソウダ。アノ偽リノ神ヲ殺シ、世界ニ平和ヲモタラスノダ。ソレガコノ本ヲ開キシ者ノ使命ダ。』
「神を殺す使命...それっていつから始めればいいのですか?」
『オ前ニ5年ノ期間ヲ与エヨウ。5年ニ後マタココニ来イ。ソノ時ハ、ティアマトト相応ニ渡リ合えエル程ノ力ヲ身ニ付ケル事。ソレガ世界ヲ再生スル必須条件ダ。』
「再生する必須条件...それは何を身につければよいのですか?」
『ソレハ自分デ見ツケ、見イダスノダ。』
ゼウスはそう言葉を言い残すと白い煙となって姿を消してしまった。レティシアは意識が戻り目を覚ますと、そこには図書館の床が見えた。
「あれ?私寝ちゃったのかな?」
最初は寝ぼけていたが、徐々に時間が経つにつれて倒れていた時の記憶が鮮明になってきた。
「そうだ私、この本を開いた途端に倒れちゃったんだ。あれ?確か、夢の中で誰かに会ったような...」
何故かレティシアは誰かに会った事は覚えているのに、その誰かが思い出せないでいた。
「それでその人に5年の期間をやるから鍛錬を詰めって言われたんだっけ。」
レティシアはゼウスの名前こそ思い出す事は出来なかったが、ゼウスに言われた言葉はしっかりと記憶にあった。
「よーし、これから頑張るぞー!」
修行をするのはいいものの、レティシアには大きな欠点があった。それは、指導者がいない事だった。レティシアは剣術は人並み以上に出来るが、魔法の方はというと、人並み以下だった。このまま剣の腕だけ磨いたままティアマトに挑むとなると、近接戦闘しか出来ないので負ける確率が極めて高い。なのでレティシアは魔法の扱いに長けている人を探した。指導者はあっさりと見つかった。それは、レティシアの母親ロザリア・クヴァントだった。ロザリアはレティシアの父親のローレンスと結婚する前にパーティを組んで一緒に旅をしていたらしく、その時、ロザリアは援護系魔法を得意とする魔法使いだったらしい。勿論、攻撃魔法も人並みくらいには扱える。
「レティシア、一人で旅をするには自分の命は自分で守らないといけないよ。その為に今日から5年間スパルタでいくからね。」
「わ、分かった。お母さん、私頑張るね!」
この日から、レティシアの地獄のような5年にも及ぶ修行の日々が始まった。
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