第14話 美少女同級生はデートがしたい
金曜日の夕方、授業が終わり、放課後。俺はいつものように柚羽と一緒に家に帰っていた。
何だかんだで一週間が経ったが、俺と柚羽の関係は未だに続いていた。
というのも、最近柚羽と一緒にいるととても楽しい。共通の趣味がある訳でも無いのに、一緒にいるだけで自然と笑顔になれるのだ。
これが恋愛感情なのか俺にはよく分からないが、もう少し彼女との関係を続けてみようと思った。
そんな事を考えていると、柚羽が話しかけてきた。
「ねぇ優弥くん、一応私たちって、付き合ってるじゃん?」
「まあ、そうだな」
「じゃあさ、明日デートしない?」
確かに柚羽と付き合ってから、俺たちはデートをした事が無かった。
柚羽の事をもっと知る事ができる良い機会だ。そう思った俺は快く柚羽からの提案を受け入れる。
「デートか…いいよ」
「ほんと!じゃあ、一緒に映画見に行こ!最近話題になってる作品があってさ…」
「うん、いいよ、じゃあまた連絡するね」
デートスポットとしては無難ではあるが、俺は明日のデートがとても楽しみになった。
そのまま家に帰り、家族で夜ご飯を食べた後、俺は瑠那がお風呂に入っているのを確認し、瑠那の部屋に向かう。
机の上には例のノートが置いてあった。早速内容をチェックする。
そこには瑠那の字ではない、恐らく未那が書いたであろう文があった。
『今日、ショックな事があった。ゆうくんから、知らない柔軟剤の香りがした。確認すると、ゆうくんは私たちの知らない女の子と連絡を取っていた。通話してるゆうくん…楽しそうだったな…』
……え?バレてる…?
あれ?おかしいな、俺は二人に柚羽と付き合っている事は言っていない。というか、言えるはずがない。
てか、すれ違った時の服の匂いで分かったの!?すごくない!?
そして、何よりおかしい文があった。最後の文章、何で俺と柚羽が通話してる事知ってんの?未那さん…?
嫌な予感がした俺はすぐにノートを閉じ、自室に戻る。
その日の夜は中々眠りにつく事が出来なかった。
◇
翌日、いつもより早い時間に起きた俺は支度を整え、デートの準備をしていた。
「よし、これで大丈夫だろ」
準備を整え、待ち合わせ場所の駅前に向かおうと玄関に向かおうとした時、未那に話しかけられた。
「ゆうくんおはよ〜、今日は起きるのはやいね〜」
「ああ、ちょっと用事があってさ」
「それって、誰かと遊ぶ約束とか?」
勘が鋭いのか本当に監視でもしているのか、核心を突くような質問をする。
「ああ、まあそうだね」
「それって男の子?女の子?」
…まずい、ここは嘘をついて男の子と言った方がいいのか…
しかし、ここで嘘をつくと後々面倒になる予感がした俺は、本当の事を言う。
「まあ、女子だけど…あ、でもただの友達…」
「チッ…」
「なんだけど…って今なんか言った?」
「え?何も言ってないけど?」
いやいや、今明らかに舌打ちしたよね!?もう薄々気づいてるよね!?俺がこれから何をするかとか!誰と会うかとか!
「じ、じゃあそろそろ行ってくるから」
「うん!いってらっしゃい」
まだ時間に余裕はあるが、これ以上未那と話しているとこっちがさらにボロを出して俺の命が危うくなるかもしれない。
俺は少し駆け足で待ち合わせ場所に向かう。
…
駅前で柚羽を待っていると、俺を呼ぶ声が聞こえた。
「優弥くん!ごめん!待った?」
そこにいた彼女は、ワンピース姿でとても夏らしさを感じる服装をしていた。めちゃくちゃ似合ってて可愛い。
「じゃあ、行こっか!」
柚羽は笑顔でそう言った。やはり彼女の笑顔を見るとこちらも笑顔になる。
ただ、そんな俺たちの様子を姉が監視している。そんな事実さえ無ければ、もっと笑顔になっていたことだろう…
…
更新遅くなり申し訳ありませんm(__)m
これからも遅めの更新になるかもしれませんが、ご了承くださいませ<(_ _)>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます