神の企画モノ
夢見ガチ
第1話
死にたい、消えたい、辛い、苦しい…
私が居なくなっても世の中何もどうせ変わらないし消えちゃえばいいのに…。
そんな若者の言葉や自傷行為、命の重みの軽視化によって神々は人間をただ見守っている事に飽きてしまい、思いつきで企画モノを創るようになりましたとさ〜
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普通の人として厳しめな母に育てられそれなりに嫌な思いもしながら大人になって、私は自分の正体に気付き始めた…。
夜の街東京を仕事終わりに徘徊している。私は食事をするためだ。
働かざる者食うべからず。
私は働く事によって空腹が満たされ普通の人間に馴染む事ができるのだ。
私の食事は本来人間としての身体が必要としている食物では無い。性欲だ。
「暇だったので、普通の人間にサキュバス入れてみました〜☆」
人と通じ合えない訳でも無い、話もできるし友達だって作れる。
ただ、普通の人間として生活していると生きづらくて苦しいのだ。
食っても食っても足りない底無し沼のサキュバス腹でろくでもない生き方をして面倒を見るのも大変であろう私を愛していると言ってくれた人。
信じたその人と結婚をし、子供もできた。
私は普通の人間だと一瞬錯覚していた。
でも…
私の身体は人間なのに人間と違う…
愛した人は私に食事を滅多に与えてくれなくなった。
生活のために身を削って働き、普通の人間のように私が沸かしておいた風呂に入り私の用意した食事を摂りすぐに眠りについてしまうのだ。
私が空腹を訴えても何も変わらない…。
体重が減っていく、食物を必要と思えなくなり、睡眠もあまり満足にとれない。
でも人間の世界では既婚者が他者と交わる行為を違反のように見る傾向があるし、私の愛している人もそれを認めてくれない。
空腹で私が苦しんでいても、愛している人は疲労で相手していられないと一言謝って寝るだけだ…。
どう考えても自分がおかしいのだ。
でも自分を責めても「やめなさい」と言われ、子供じみた自傷行為も高校生時代にもうしょうもなくてやめたし、私がどこにもいない毎日を過ごしている…。
「これは少し可哀想かもしれなかったね…」
食事は月に1〜2回になった。
愛している人は真面目で浮気も不倫も女遊びもしない。
私は毎日食べたいとも思わない食物を摂取し、身体だけ生きている。
よく子供ができると自分の人生はもう終わりとか言うけど、こうゆう事なのかな…。
空を見ても天気の良い日も新しいものもかわいいスイーツもなんだとも感じない。
大好きも愛してるも分からなくなって歯切れ悪く気持ち悪い。
それでも私、何かを待ってる。
何を待っているのかわからない。
でも生まれた意味を知るために死ねずに居るのかもしれない。
神様なんて居るかどうかもわからない。
生き方の答えを神様が知ってるなんて根拠もない。
だから今居るこの世界で私は生きるために生きる意味を空っぽのまま待ってるのだ。
部屋のなんでも無い空気が私の空っぽな脳みそを押し潰して来る…。
こういう企画なのかな…
夢だったらいいのにって言うように一言溢して私は目を瞑った…
私の何倍もある天井が全面で私を見つめている。
そんな視線と息苦しさの中、私は心ごと午後の生温い空気から密閉されるように布団に沈んだ。
神の企画モノ 夢見ガチ @yume3gati
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