20200531 放課後

教室、クラスメイトが13人だけ。だけど普通の400人くらいが通う規模の大きさの学校にいる。

テスト期間なので早めに授業が終わり、教室を出ようとする。

最終日だから部室に顔出そうと誘われたが、断って帰った。


放課後、グラウンドと校舎の境の土手状の坂に寝転がった。

帰ったら何をするか考えた。

スマホで調べると映画は上映時間までは1時間以上あったので、家に帰って映画館に向かっても間に合う。

でも見るものがユニコーンガンダムしかない

少し肌寒くなってきたので、カバンから寝袋を出した。

寝袋には入らず上にかける。そして少し目をつぶって、この後の動きについて考えた。


名前を呼ばれて目を開けるとそこには同じキャンプ部の女(以下A美)がいた。

時間を見ると映画の上映時間は過ぎていてすっかり夕方だった。

A美に寝袋を奪われて何で部室に来ないうえにこんなとこで寝てるのか聞かれた。

寝袋の性能テストとか適当に誤魔化した。

教室に忘れ物をしたと思い出した。

A美はここで待ってるから早くいってこいという。


1人で夕暮れの校舎を歩き教室へ向かう。

そういえば帰りのHRで結果に不安があるやつは、今後のためにも勉強会参加しておけと言っていたのを思い出した。

まだ教室に誰か残っていると思ったが誰もおらず、急に人が消えたように椅子が出たままだったり、黒板には何か解説していた図やらが残ったままだった。

A美を待たせているし、とにかく忘れ物を取った。筆記用具と問題用紙を取って、A

美の所にもどった。


校庭にもどると業務用天幕が立っていた。

中を見ると父親、兄、犬がいた。

犬は寝袋に頭から突っ込んで、その横で兄が寝っ転がっていた。

ちょっとキレ気味にさっさと片付けるように言った。

少し不満そうだが解体作業を始めた。

何故だか早く帰らないといけないと感じ始める。

そこにA美が近づいてきた。早く帰った方がいいと忠告して作業を続けた。A美は、じゃあおさきーと言い残して帰っていった。


支柱を抜いていると、いきなり織田信長が馬に乗ってきて解体を中止するように要求してきた。

こちとら解体しねぇと帰れねぇんだとキレながら解体を続ける。

馬から降りてこちらに寄ってきた織田信長の様子がおかしくなる。

ホラー映画ばりの動きでがくがくしだした。

最後の支柱を抜くと織田信長がバキバキと音を立ててでっかちの2.5mほどの鬼になった。

ニヤニヤとしながら早く帰らないからと言われる。


とりあえず支柱を頭に向かって投げつけた。

脳天ど真ん中に突き刺さったが倒せなかった。

鬼は父親を掴んで食べた。

別の支柱を拾って槍の要領で構える。

鬼は兄と犬を捕まえて食べた。

防戦一方で鬼から逃げ回った。

夕焼けの色より夜の色が濃くなってきたの頃、ふと思いついて校外に向かって奪取した。

学校の敷地外、十字路の向こう側に行くと鬼は見えない壁にぶつかった。

すると悔しそうな顔をして軽トラに姿を変えた。

何とかなったと力が抜けて地面に倒れるとA美がのぞき込んできた。

帰ってなかったんかい!とかツッコんだ。


軽トラを道路端に移動させて、A美を待たせて校舎にもどると何もなかったかのようにきれいになっていた。

校庭に父親が倒れていたので起こす。

タイミングよく家族が車で駆け付けたので、友人を待たせてるから徒歩で帰ると告げてA美の所へ戻った。


A美に声をかけると驚いた顔をしていた。

すると右側を指をさして、さっき帰ったじゃんと言った。

指さしたほうを見ると自分に見える後ろ姿があった。

そこである考えが浮かんだ。

あの家族、自分、自分に見えるなにか。

誰が偽物なんだろう。

もしかして帰ったらさっき迎えに来た家族とは別の家族が家にいるんじゃないかと


その疑問を解決するべく、A美と帰路についた。

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