第11話:教えて、レヴィアタン先生!

 特訓最終日、特訓場にて白い軍服にマントを着たレヴィアタンに見守られながら、応用技の特訓中。

『《人化》』

 俺がそう唱えると、俺の真下の地面から土や岩が俺の体に纏わり人型になる。

『レヴィアタンといいほかの魔王たちといい、《人化》が完全に人間で羨ましいよ』

「一応、レオナはふわふわ耳としっぽが付いちゃってるけどね」

『それは萌えポイントってやつだ。俺のは、愛嬌もないただのゴツゴツモンスター』

「君のアビリティなら、どうにかできそうではあるんだけどね」

『まあ、今はそれよりこれだ』

 俺は、右手で拳を作りその手が冷気の魔力結晶になることを想像する。すると、俺の拳がピキピキと音を立て水色の結晶となり冷気を放ち出す。

「完全な《人化》は出来そうかい?」

『一応、《人化》した体を変化させることは可能らしい。あとは、俺が人間の体を生成するとか言う禁忌に触れなきゃなんだが……』

「禁忌?」

『ああ、正規の手段ではない人体の創造は大体の世界では禁忌。つまり、やったら獄門送りだろう?』

「キトくんって、世間知らずなわりには常識っぽく語るよね。あと君の目は、節穴だ」

『ん?』

「君は、この白い街で何をみた?」

『イカみたいなタコみたいな変なやつ。白い髪のレヴィアタンが作った……人形、そう言えばあれどういうことなんだ?』

「はい、授業ターイム!ほら、《人化》解いて解いて」

 俺は、レヴィアタンにそう急かされ《人化》を解く。そして、レヴィアタンに抱えられ近くの予備実験室に入り黒板の前に置かれる。今俺の前にいるのは、マントを取り白衣を着たレヴィアタンと水色の人型の人形。

「これは、核だけの人形だよ。ウツボのような意志のある人形は、魔力で核と脳核を作ることで出来る」

『難しい話してる?』

「そんなことないよ、人形に心臓と脳を作るってだけの話さ」

『……』

「わかった、やってみせるから見て学ぶんだ」

 そう言うとレヴィアタンは、隣の核だけの人形のに触れ目を瞑り集中する。

「まず、水を操って大雑把に人型にしてその上から魔力の膜で細かく形を整形する。まあ、ここまではもうこの人形は出来ているから必要ないね。次に、核つまり心臓だ。核の作り方は、魔力を集めて集めて大きく濃い魔力にすれば完成。これもこの人形にはあるから大丈夫。そして最後は脳核、脳みそだね。脳核も核と同じ様な作り方なんだけど、少しだけ手間をかける。それは、魔力を一本一本の細い糸だと考えて神経を作ること。脳核から核へ、手の指先へ、足の指先へ」

 レヴィアタンは、そう説明しながら魔力を人形へと流し脳核、神経を作っていく。

「よし、これで完成だ。あとは、《人化》するように命令して名前を付けるだけ」

『よくそんな複雑なこと出来るな』

「魔力を感じ操る。やってみればそれだけの案外簡単なことだよ」

 レヴィアタンは、さっき作った人形を壊しながら言う。

『壊すのか?』

「今は人手は足りているからね。無闇に増やすと、何もしないままの人形が可哀想じゃないか?」

『そうか、確かに?』

「さ、キトくん、これで何か掴めたかな?」

『多分な。まずは、やってみる』

 

 それから俺は、特訓場に戻り人形作成を試してみることにした。

 

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