第22話 異世界から現実への持ち運び禁止だが、その逆は大丈夫 

 ハヤシライスを食べていると、

 そろそろ拠点の島も大きくしないといけないと思っていた。

 しかし、最近は仲間集めに注意点を絞りすぎて、食べ物を回収する事を忘れていたし、

 農作物や採取したやつは住民やモンスターの食料にしたいので、

 手は出せず、

 

 ならと考えると、確か異世界から銀実への持ち運びは出来ないとされている。

 ではその逆はどうなのだろうか、現実から異世界に持ち運ぶ時、

 恐らく出来る。


 こちらの食べ物を大量に購入して、

 巻物で移動すれば、食べ物も移動する事が出来るのではないだろうか、

 

 そのような会話を祖父とした記憶があるが、

 それは異世界から現実の話であって、その逆は論議していない、


「母さんちょっとコンビニ行ってくるよ」

「うん、わかったわ」


 僕は太陽の夕陽を顔面に食らいながら、 

 歩き続ける。コンビニは結構大きい方なのだが、

 コンビニの中に入ると買い物カゴに片端からオニギリを入れると、 

 カゴが満杯になったので、別なカゴにカップラーメンを沢山入れる事に、

 このカップラーメンは住民たち様だ。


 レジカウンターに持って行くと、 

 店員の女性さんは、こちらを凝視して見ている。

 そして僕はカード払いにすることに、

 祖父が亡くなった時、莫大な遺産を僕と父親に残していた。

 その莫大な遺産のおかげで、今、僕の懐は数億を超えている。


 一体祖父は何をやってここまで稼いだのだろうか?

 疑問だらけだけど、恐らくあの無人島の世界が関係していそうだ。

 しかしあちらからこちらへと持ってくる事は出来ない、

 ということは、何か、こちらへ持ってこれる何かがあるのだ。

 それを見つける事がきっと僕のやるべき事なのだろうけど、


 今の僕は無人島スローライフを楽しむことに集中事だった。


「お、御客様、お会計です」


 お金を渡すと、店員さんはスマイルを浮かべて、僕を送り出してくれた。

 右手にオニギリが100個ほど入っているレジ袋を持ち、 

 左手に数えきれない程のカップ麺を入れたレジ袋を持つ。


 自宅に戻る時は祖父の分館から入る事にする。

 父親と母親にこの買い物を見られたら、

 両親は僕が大食いに走ったと勘違いされるのも嫌な所であった。


 分館から入ると、玄関に外靴を丁寧に脱ぎ、


 祖父の書斎に辿り着く、

 祖父の書斎には沢山の本がある。

 たまに祖父が読んでいたであろう本を開いてみたりした事がある。

 魔石の書という物があったので、それを開いてみると、

 沢山の魔石の絵が描かれてあった。

 それはスライムだったりゴブリンだったり、


 魔石の書は図鑑のようになっている。

 しかしある1つの文脈に我が目を疑った。


【あちらの世界から唯一持ってこれるものがある。それが魔石だ】


 という内容だった。

 きっと無人島の世界の事を知らない人なら、

 何を意味の分からない事を言っているのだと思うだろう、

 だがそこに祖父が金持ちになった原因がある。


【こちらの世界で魔石はとてつもない力となる。まだまだ未確定の所が多い、それを開発しているのが、我が息子の会社だ、わしは我が息子にすべてを託し、生まれてくるであろう我が孫にも託すつもりだ】


 どうやらこの本に書かれている直筆は僕が生まれる前に書かれていたものらしい。

 そんな昔からあの世界は広がっていたのだろう。


 謎な所は祖父が築いた世界が消滅して、

 新しく僕が1から作っている事、

 何かがあそこであったので、それをホログラムの祖父は話そうとしない、

 いつか聞ける時が来る、僕はそれを信頼しているのだから。


 さてオニギリを100個と数えきれないカップ麺を持ち、

 異世界へと渡る時が来た。

 今後何を異世界に持って行くかを考えたほうがいいだろう。


 巻物を開いた時、全てがまた始まった。


 窓から外を見た。  

 そこは壮大な海が広がっていた。

 そして新しい島が1つ追加されたようだ。


 僕の心境の変化とか、学んだ事とかが、この世界の無人島を次から次へと増やしている。

 昨日は族長とやりあった事、そう言う事が僕の心境を変化させ、成長させているのだろう。


 2個のレジ袋を見ると、

 そこにはオニギリが無数にあり、

 カップ麺も無数にあった。


 オニギリだけを持ち運ぶと、

 屋敷の外へゆっくりと歩き、

 巨大な木に向かって、包装されたオニギリを1個ずつ解放していく、

 100個も解放するのはとても大変な事であり、

 多種多様な味、つまりオカカとか鮭とかツナマヨとか、


 100個のオニギリを巨大な口を開けて停止している大木に投げる。


 投げて投げて投げまくる。


 その結果、


―――おめでとうございます。島レベルが10になりました。大きくなります―――


 とてつもない地響きが鳴り響いた。

 まるで地面が分裂しているように、

 この拠点の島が細胞分裂を起こしている。

 そのように感じさせる物があった。


 地響きは2分ほど続き、

 大きさは先ほどの3倍はあるだろう、

 めちゃくちゃでかくなった事に僕は驚きを隠せず。


 島レベルが5から10に急上昇した。

 結構な広さになったので、これからもモンスターを増やしても大丈夫そうだ。


 住民なら屋敷の住居スペースでなんとかなる。

 そこには1人の錬金術師が住んでいるはずなのだから。


 僕はモンスターハウスに向かう、

 そう言えばモンスター達にモンスターハウスの事を説明し忘れている事に気付き、

 いい機会だと、みんなを集めることに、

 

「爺ちゃんいるかい」

「おう」

「先程試したんだけど、あちらの世界の物をこちらに持ってこれる事が分かった。そして爺ちゃんは魔石でぼろもうけしたんでしょ」

「そうじゃ、あの本に気付いたな」

「もちろんだよ」


「魔石には色々な使い方がある。唯一こちらの世界からあちらの世界に持ち運べるもの、そしてそれを使う事が出来るのはわしらの一族のみ、別の人間には使用すら出来ない、それでうまく人の為になる事をするといい、お金には困ってないじゃろう? わしの遺産があるのだから」

「そうだね、魔石の使い方を勉強するよ」

「あそこにある本に色々と残してある。勉強するといい、それで何を探している?」


 僕は屋敷の分館の台所であるものを探していた。


「いや水を温める道具が欲しくて」

「それならあの鍋を使うといい、炎魔法で水を温める事が出来るじゃろう」

「そうするよ」


 僕は外に鍋を持ってくると、

 炎魔法で温めだした。


 これはまだ試した事は無かったが、モンスターテイマーの力で、モンスターを呼び出す事が出来る。

 その力は【呼び出し】というものであった。

 スキルのようなものであり、

 僕はそれを発動した。

 次から次へと仕事中のモンスター達が集まってきた。

 これからモンスター達に美味しいカップラーメンを提供するつもりであった。


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