第15話 最初の無人島【初級モンスター島】に決定(前編)

 僕は新しい仲間のミュンを歓迎した。

 その後僕と爺ちゃんは最初に出現した大き目の無人島に向かう事とした。

 そこで何体かのモンスターをテイムするつもりで、

 再びやってきた。


「なぁ爺ちゃん、この島にも名前が必要じゃねーか?」

「それもそうじゃのう」


 ホログラムの爺ちゃんは腕組みして考えている。


「分かりやすく【初級モンスター島】ってのはどうかな」

「それでいいと思うぞい」

「今日からこの島は【初級モンスター島】という名前になるんだな」


 僕は自分自身に言い聞かせるように、

 先程ボロボロのイカダでこの島に漂着しているので、


 辺りを見渡す事に、

 まずはビーチスライムを仲間にする事に、 

 ゲーム感覚でこの島にいる全てのモンスターを仲間にしようと思うのだが。


「爺ちゃん、この島にいる全てのモンスターを認識したいのだが」

「それなら【鷹の目】のスキルを使うといい、辺りをまんべんなく観察すれば、岩の隙間、地面の中、木々に隠れているモンスターを認識出来るぞ」


「それをやって見る事にする」


 さっそく【鷹の目】を発動させると、

 いつものように空高くに魂のようなものが浮遊している感覚になる。

 辺りを見渡すと沢山のモンスターがいる。

 種類を分析していくと、ざっと5種類のモンスターがいるようだ。

 1つ目がビーチスライム、2つ目がグリーンゴブリン、3つ目が精霊食い蜥蜴、

 4つ目が風の精霊シルフ、5つ目が岩石ノームであった。

 どうやらこの初級モンスター島には5体のモンスターがいるようだ。

 

「爺ちゃん、この島にいるボスモンスターって」

「それなら、鷹の目では出現しないようになっている」

「なるほど、突然出会ったらすごく危険だよね」

「それは言えているが今のお主はクリムゾンリッパ―とファイブアーマーを装備しているから大丈夫であろう」

「そう言ってくれると安心できるよ、まずはビーチスライムから仲間にしようと思う、でもどうすれば仲間に出来るんだ? 条件が分からないけど」


「そうじゃのう条件は【鑑定】スキルで判別する事が出来るが、条件を満たすのは色々とめんどくさい場合がある、なので魔石でテイムする事を進めるぞ」


「うん、分かったよ爺ちゃん、一応鑑定はしてみるよ」


 僕はビーチスライムを鑑定する事にした。


【ビーチスライム:レベル1:仲間条件ビーチスライムを掴む】


 僕は大きな口を開けて唖然とした。


「分かっていると思うが、ビーチスライムはレベル1、仲間にするのは非常に簡単だ」


 まるで祖父が後付けのように付け足すと、

 僕はそんな爺ちゃんを見ていて思い出していた。

 いつも祖母に難しい事を言って、困らせている祖父が、突然祖母に言いくるめられるシーンを、

 とても懐かしくて、感動していた。


「とりあえずビーチスライムを片端から掴んでみるよ」


―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――

―――おめでとうございます。ビーチスライムをテイムしました。名前を付けてください―――


 僕はざっとビーチスライムを10体仲間にした。

 ビーチスライム達は仲間どうして、ぐねぐねしている。

 すると1体だけ少しだけ大き目のビーチスライムを発見するので、 

 一応鑑定すると。


【ビーチスライム:レベル3】


 と表示され、

 1体だけレベルが3であった。


「君に名前を授けるボルルという名前だ。君がリーダーだから、配下の9名を統率するように、配下達は状況に応じて名前を授けるよ」

「ありがとう、とても嬉しいです。これからもよろしくです」

「ちなみに君はどのような事が出来る?」


「んとですね、雑草やゴミを食べてそれを肥料にする事が出来ます。10体なら合体して相手の力をコピーする事が出来ます。もちろん姿や声などお同じように出来ます」

「なるほど、闘いの訓練の相手になってもらうかもしれないけどいいかい」

「それはもちろんです。ビーチたちを殺さなければ」

「それはもちろん殺すつもりはないよ」

「はいなのです」


 後ろからビーチスライム達が10体後を追いかけてくる。

 先頭を少し大きめのビーチスライムであるボルルが追いかけてきて、

 その後ろからスライム9体が追いかけてくる。

 まるでゲームの主人公になった気分だった。


 RPGの主人公になり、

 仲間がスライムばかりという残念な主人公の物語を展開しているみたいだ。

 なぜだろう僕はとてもわくわくしている。

 目の前にゴブリンが3体いた。

 ゴブリンの魔石は5個あるので、 

 これを食べさせたらテイム率が上るだろうが、

 まずは鑑定をすることに。


【グリーンゴブリン:レベル3:仲間条件殺さないで倒す】


 それがとても難しい事はわかっている。

 だってこの世界はもう1つの現実みたいなもので、

 いくらエリクサがあるからと言っても、

 胸を斬られれば、棍棒で殴られればとても痛い、

 そしてこっちが本気を出せば、スキルの効果のお陰で瞬殺してしまうし、

 僕には【超人】スキルがあるので、圧倒的な攻撃となる。

 なのでパンチでも死ぬ可能性がある。


 僕は困り果てている。

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