第10話 魔石をかちっと嵌めたら、異常事態!!

―――モンスターハウスが建設可能―――

―――井戸が建設可能―――


 マジックボードにスライムの魔石とゴブリンの魔石と蜥蜴の魔石を嵌めると、

 モンスターハウスと井戸が建設可能になったようだ。


 僕はさっそく屋敷の外に出ると、レベル5の無人島はまぁまぁ広くなっているので、

 まずは井戸から建設しようとする。

 シルカは畑が気になるのか自分が植えた種を観察している。

 爺ちゃんは質問がこないかとこっちをガン見している。


 なぜだろうか、

 僕はとてつもなく質問しづらい。

 それを狙っているのか?

 爺ちゃんは必至でこちらを見つめている。


「ジ、爺ちゃん」


「なんじゃ」


「どうやって建設するの?」


「よい質問じゃて、まず意識でオープン建設と呟いてくれ」


「なんか建設が始まりましたーみたいなセリフですね」


「まぁそれに近いかもな、まぁいいんじゃない? 誰も見てないしのう」


「そう言う事で」


「ごほん、オープン建設」


 まるで建設会社がオープンしましたよーと呟いているみたいで少しだけ恥ずかしかった。


 目の前にホログラムが出現した。

 これには驚かなくなっている。なにせ爺ちゃんがホログラムでいるからだ。

 それにシルカという精霊もいるから、


 なんだろうこの矛盾、


 ファンタジーにも特化しつつ、最先端の未来科学にも特化している。

 この世界はなんでもありなのだと、

 少なからず思うようになっていた。


「そこに井戸とモンスターハウスがあるじゃろ」


「ありますね、他はないのですか?」


「他は条件を満たしていくと増えて行く、先程のマジックボードで増える場合もあれば、モンスターを倒した数とか、モンスターをテイムした数とか、数以外でも条件がある。説明が難しいが、人と何回話したとか、人と何回遊んだとか」


「もはやゲームじゃねーか」


「じゃからそのゲームは知らんて」


「いえこちらの話です」


 僕は冷静になりながらも、

 この世界がゲームに近いものだと分かってくる。

 ただし現実と同じように死亡したらそのまま天国へ直行みたいです。


「まずは井戸をっと」


 井戸をクリックすると、 

 建設用ホログラムが出現する。

 それはモンスターハウスの輪郭が表れたもので、

 これをどこに設置するかを選べる。

 右手でぐいぐいと

 指を指したり、動かしたりすると、

 モンスターハウスが移動する。

 とはいえ輪郭のホログラムだ。



「これ完全にゲームだよね、なんでもないです」


「わしに何か突っ込ませろおおおお」


 爺ちゃんの雄叫びが上がる中、放って置く、


 大体屋敷の近くに設置して、屋敷が大きくなった時に問題がありそうだと思ったら、

 ちゃんと今後屋敷がどのように大きくなるか赤いホログラムで建設出来ないようになっている。


 なんと親切な設定なのだろうか、

 これはゲームから取ったのではなく、

 もしかしたらここからゲームになったのでは、

 と思ったがまずありえなさそう、この世界を知っているのは限られた人だろうし、この世界を知っている人はあまりいないと思う、

 爺ちゃんでさえあまり僕にすら話をしていなかったのだから。


「じゃあ、まずは井戸をこっちにと」


 畑区画の近くに井戸を設置すると、


 まるで魔法みたいに突然井戸が出現する。

 次に井戸の中を見ると、ちゃんと大量の水が溢れている。


 汲み上げる木桶のような物で汲み上げて、鑑定で調べる。


【綺麗な水】とても綺麗な水で生き物の体にとてもいいとされる。野菜にも栄養抜群となっている。


 僕はその綺麗な水を飲み干した。

 口の中に広がる少しの甘味のようなもので、

 水道水のようではなくて、コンビニで売っている質の良い水そのものであった。

 水は完了して、次に祖父と祖母が住んでいた屋敷の分館のコピーからだいぶ離れた場所に、

 モンスターハウスを出現させる。

 扉を開けると、風が舞い込んだ。

 なぜモンスターハウスの中に風が吹く原理があるのか?

 辺りを見渡すと、ここはどこかの大陸だった。


 信じられるだろうか、

 モンスターハウスは少し小屋を大きくした程度だ。

 その中には、大陸がはびこり、

 山が沢山あり、草花が茂り、しまいには森が盛大に広がっていた。

 川もあり海もある。


【ようこそモンスターハウスへ、ここではあらゆるモンスターを捕まえて保護する事が出来ます。ここではモンスター達が自由気ままに過ごすができます。右上の空中をクリックしてください】


 右上の空中をクリックすると、

 そこに沢山のリストが洗われる。

 モンスターリストみたいで、そこには【風の精霊シルフ】というマークがあり、

 リストの矢印のところには不在と書かれている。


 つまり現在風の精霊シルフはこのモンスターハウスという大陸にいないと言う事であった。


 これはすごい便利な機能を持ち合わせているモンスターハウスだと思った。


【モンスターリストにある名前をクリックしてください】


 僕は言われるがままにモンスターリストにある風の精霊シルフをクリックすると、


 そこに【食事、訓練、睡眠】等、他にも多種多様なコマンドみたいな物が出現していた。

 まるで育成ゲームのようなそれに、


 感激を覚えざる得なかった。

 僕はスマホで育成ゲームをやるくらい、

 育成ゲームが大好きだった。


 まず僕はビーチスライムを仲間にするのにスライムの魔石を20個とゴブリンの魔石4個を使用する覚悟であった。

 マジックボードのスライムの魔石とゴブリンの魔石での100個嵌めると貰える称号は後にする事にした。


 僕はこの世界で沢山の目標が出来ている。

 1つが強くなって現実世界で暴れる事、

 2つがこの世界のモンスターをコンプリートする事、

 3つがこの無人島を発展させて、住民を増やす事だった。


 その為には色々と条件を満たして、

 建造物を出現させる為に何をすべきか、よーく考える事であった


 モンスターハウスから出ると、

 外では畑に水やりをやっている風の精霊シルカがいた。


 彼女はこちらを見るとにへらと笑ってくれる。


「僕は一度現実世界に戻る、ここには君しかいないけど」


「わしもおるぞい」


「祖父から色々と聞いてくれ」


「シルカは大丈夫、速くこちらに戻ってきてね」


「もちろんだよ、シルカちゃんを1人にしないよ」


「はいなのです」


 シルカが水やりに戻り、

 屋敷に戻った僕は巻物を使用して、現実世界に戻る事となった。

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